【監督】J・ブレイクソン
【出演】ロザムンド・パイク/ピーター・ディンクレイジ/エイザ・ゴンザレス/クリス・メッシーナ/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 マーラは、法定後見人として仕事をする女性。しかし、彼女は、医師や介護施設と結託し、高齢者の財産を搾り取る詐欺師だった。ある日、身寄りのない老女 ジェニファーの後見人となるが、彼女にはとある秘密があった。
どこまでも自分の意志を貫き通そうとするところが面白い良作
・J・ブレイクソン監督は、2009年『アリス・クリードの失踪』で映画監督デビューをし、2016年『フィフス・ウェイブ』のあと、2021年「パーフェクト・ケア」と着々と作品を送り出しています。
・ロザムンド・パイクは、イギリスの俳優で2002年『007/ダイ・アナザー・デイ』でボンドガールに選ばれています。その後、2012年『アウトロー』で弁護士役で出演し、人気となります。2014年「ゴーン・ガール」でも妻役として高い評価を得ています。2021年『パーフェクト・ケア』では、第78回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞しています。
・物語は、法定後見人として高齢者の余生を管理しながらも、実は裏では、高齢者の財産を搾り取るような行為をしている詐欺師。彼女は、とある老女の後見人となるが、その老女にはとある秘密があるといったストーリーです。
・原題は「I Care a Lot」となっており、「パーフェクト・ケア」は如何にも原題のように見えますが、実はこれは日本でつけられた題名です。
・序盤から、介護に関して親子の問題についての裁判のシーンから始まります。
・まったくの正論を論弁する点から、主人公の正当さを感じてしまうところがあります。
・本作の視点はこの裁判結果でのドヤ顔で大体の雰囲気を感じられると思います。
・主人公の勝ち気な雰囲気の裏付けには、法的に合法と非合法のスレスレのところを合法的に行っていることで、この着眼点により、主人公一味が様々な詐欺のような行為を働いています。
・問題は、その詐欺のような行為に多くの人が加担していますが、その報酬等は特に明示されていません。
・「どんな悪党だって年を取るんだから」
・とある老女のジェニファーもその詐欺に引っかかった一人ですが、彼女自体にとある秘密があり、マーラの策略のさらに先を行くような勝ち気さがあります。
・「彼が来るの」
・「私も話さないわ」
・マーラもジェニファーもどちらも勝ち気なところがあり、脅しには屈しないところにおもしろさがあります。そして、時折醸し出す脅しの怖さが良いです。
・中盤で、老女のジェニファーの素性がわかり始めます。この状況から、マーラが窮地に陥って行きますが、この二転三転する展開は脚本の良いところです。
・マーラ自体も、非合法的に身の危険にさらされていきますが、そこでも肝っ玉が座っているところに、本作の一貫性のある主人公の魅力があリマス。
・「危ない男だ」
・「何も知らないんだから怖くない」
・ドラッグストアで買い物をしたときの手持ちのドリンクが気になりますが、これ、牛乳で、抜けた歯を入れていたんですね。
・その時に手に書いていたナンバーもあとあと説明はされます。
・マーラの勝ち気っぷりは一貫して面白く、決して臆さないところがあります。この主人公像は、あまり見ないタイプかと思います。
・マーラとパートナーのプランで復讐をしていくわけですが、終盤の復讐劇の展開がとてもおもしろいです。
・どのように復讐をしていくかは観てのお楽しみです。
・ある程度法的なことを行える頭脳もあるので、きっちりと足のつかないような手段を選ぶところも良いです。
・よくある詐欺師の騙し合い的な映画と異なる点は、いずれの登場人物も身の危険に対して臆さない視点があり、どこまでも自分の意志を貫き通そうとするところが面白い良作です。
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