作品紹介
【監督】川北ゆめき
【出演】青木柚/中村守里/伊藤万理華/宮﨑優/菊地姫奈/新谷姫加/濱正悟/ほか
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】高校時代に器械体操部で出会った「まなみ」に恋をした主人公・ボク。10年という歳月の中で様々な出会いや別れを経験しながらも、彼女への想いを抱き続ける青春ラブストーリー。
実際には一人の女性だけを描いた作品ではなく
川北ゆめき監督は、大学時代に映画制作をし、2017年「変わらないで。百日草」で監督デビューをしています。以降も助監督として様々な監督のもとで映画制作をし、2022年『まなみ100%』では、クラウドファンディングで資金を集め、映画制作をしています。
青木柚は、2010年劇団ひまわりに所属し活動を始め、2014年「平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊」で映画デビューをしています。その後、舞台や短編映画にも出演しており、今後が期待できる俳優です。
中村守里は、2017年「清らかな水のように~私たちの1945~」で舞台デビューをして、女優として活動をしています。2018年「書くが、まま」で映画初出演初主演をし、映画の賞も受賞しています。
脚本は、いまおかしんじが関わっており、独特な視点で毎回ツボでもあるような展開や言い回しが良いです。
物語は、同じ器械体操部の子に恋をし、その後の10年間を綴ったラブストーリーです。
序盤から、とある女性の家の部屋で言い争いをしているシーンから始まり、ベランダから出された先に友達がおり、そこで友人とともにカメラを持って出かけて行きます。
平成が終わる時期の物語で、そこから時間が遡り、主人公のボクは普通の高校生として平凡に学校生活を食っています。
まなみとの出会いは、10年前の高校一年のときで、そのときに器械体操をしているのを見て、体操部に入部をします。
「あ、ごめんって言葉じゃ謝りきれないほどわるいと思っている。あの、重ね重ね謝りたいと思っているから、メールアドレス教えて」
主人公 ボクの積極性は、奥手っぽい雰囲気とは違い、とてもスマートでユーモアある感じではあります。
細かいところは描かれないのですが、まなみとボクの関係は徐々に詰めらているところがありますが、その過程はなぜかあまり描かれていないです。主人公のボクには彼女がいますが、ボクはいろいろな女性に目移りする性格なのか、まなみに心変わりをしていきます。
まなみ自体も、あまり悪い印象を持っているわけではなく、ちょっと良い印象を持っている感じです。
出番が少ないのですが、瀬尾先輩もボクが気になる存在だったのかと思われ、瀬尾先輩は伊藤万理華が演じていることもあり、学生役に向いているなあと思います。
体操部の活動と文化祭の活動の温度差より、真面目に部活動をしない人らをあまりこころよく思わないのですが、その反動で、街でゴミ箱を荒らしてしまい、部活動を真面目に行わない子らよりも大きな問題を起こしてしまいます。
その問題の反省として、とある行動を起こしてしまうのですが、そのあとの文化祭に参加できないボクになんとなくグッと来るところがあります。
「プロポーズできる年齢だよ」
主人公のボクは、うる星やつらの諸星あたる的な感じもあり、色々な女性にチョカイを出す点は、あまり共感できないのですが、このちょっとだらしないところがコメディ感も醸し出しています。
一浪をして大学生になってからは、まなみとの関係が薄くなり、映画研究会で気になる子にアプローチをしますが、その子には彼氏がいるということもあり、何度も失恋を重ねながら、日々を過ごしていきます。
中盤まで見るとわかるのですが、本作は、100%としていながらも、意外とまなみのことを描いているわけではなく、ボクとまなみはあまり巡り合わない感じで
クロケイとの別れのシーンはなかなかすごいのですが、これも脚本的にいまおかしんじ脚本の良いところが出ています。
「映画楽しいの?」
「なんの役にも立たないのが。」
瀬尾先輩の顔が腫れて入院をしているシーンはなかなかすごい顔だなぁと思いますが、特殊メイクをせずともこの顔ができそうな伊藤万理華はなかなかな女優根性な気もします。むしろ、こういうところがみりょくなのかとも思います。
数年ぶりにまなみと出会い、会話をするシーンがありますが、あいかわらずボクの言動がチャラいところはやはり主人公に共感できないです。
中盤でとある人が亡くなってしまいますが、その際に彼女との記憶をたどる場所で弔いをするところは良いです。こういうセリフにならないながらも、ちょっとした行動で気持ちを表現するのは、いまおかしんじ脚本の持ち味なのかもしれません。
「わたし、君とセックスしてもいいけど、きっと後悔すると思う。」
「きみやっぱり、馬鹿だね」
「この関係がいつまでも続くと思っていた」
タイトルは『まなみ100%』ですが、実際には一人の女性だけを描いた作品ではなく、主人公が様々な人との出会いを通して成長していく青春群像劇としても楽しめます。
まなみからの視点はとことん排除されているところもまた本作のなんとも言えないもどかしいところがあります。
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