【日本映画】「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ〔2017〕」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】石井裕也
【原作】
【出演】/池松壮亮/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 美香は、看護師をしながら夜はガールズバーで働いている。もうひとりの主人公は、工事現場で日雇いの仕事をしている。そんな2人が出会い日々の生活や悩みを通じて心を通わせていく。

根底にある要素は都会を描いたようで、コミュニティの中での人々の生活を描いたようなところ

石井裕也監督は、高校時代から映画監督を志し、大学の卒表制作で、2005年『剥き出しにっぽん』を監督して評価をされ、以降、「川の底からこんにちは」「舟を編む」など高い評価の作品を生み出しています。

石橋静河は、父がであり、バレエ留学中に演劇の面白さに感銘をうけ、俳優を志します。2017年『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』での演技で評価を得て、その後、様々な作品に出演しています。特技は英会話とダンス、趣味はギターです。

池松壮亮は、「ラストサムライ」での出演から、子役として活躍し、現在では多数の作品で印象的な演技で定評のある役者です。

物語は、東京で生活する2人の男女が、出会い、生活や価値観からお互いに心を通い合わせるストーリーです。

序盤の多くは、美香の独白の中での状況説明があり、その後、慎二の話も絡んできます。

慎二は色々とめんどくさいことばかりを考えているけど、かと知って、松田龍平演じる先輩の無軌道なところもどうかと思います。

自覚があるような慎二でもありますが、やっぱり喋っているのを聞いているとめんどくさい人でもあります。

仕事は土方ではありますが、どこかしら人生を考えているところもあり、周囲と歯車がイマイチ噛み合わない人ではあるのかと思います。

その上で、美香との出会いを通じて慎二の考え方に変化が出てきます。

この2人の物語が主軸ながらも、周囲の人物の生活風景や環境にもポイントがあります。

毎月届く請求書の山、それでも日々は続いていき、朝が来て、夜が来る。そんな都会に住む人々も、決して優雅ではなく、日々をどう過ごすかというところが見え隠れしていきます。

わかりやすいのはストリートミュージシャンでもあり、物語に関係している要素はとても薄いのですが、その一つの結末がさらりと描かれています。

他にも土方仲間のことや、主人公2人の暮らしも描いており、108分という内容でありながら、意外と凝縮された感じがします。

ちょっと残念なのは、死生観も出てきながらも、その部分はやはり浅い気がします。

人間同士の関わりあいがドライであるというような演出とも取れますが、仕事で一緒にいた人でも、やはりどこか根幹的なつながりは希薄だったという点は都会ならではとも錯覚します。

この要素はかなり絶妙な気がします。

中盤で、物語の転機がきますが、やはりその転機も大きな転機として影を落とさず、サラッと通り過ぎるような印象でもあります。

都会という点では、実際に生活をしていない人にはピンとこないのかもしれませんが、根底にある要素は都会を描いたようで、コミュニティの中での人々の生活を描いたようなところにあるのかもしれません。

予告編

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