【日本映画】「いとみち〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/豊川悦司/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 相馬いとは、人見知りとメイド服へのあこがれより、メイド喫茶でバイトを始める高校生。津軽三味線の腕前を持ちながらも、気恥ずかしさがあり、三味線を弾くことがなかったのですが、とある事件をきっかけに三味線をつかったイベントを企画する。

いとみち

実はしっかりと地に足のついた作品である意外性のある良作

・横浜聡子監督は、青森県出身の監督で、2005年「ちえみちゃんとこっくんぱっちょ」で短編映画、2006年「ジャーマン+雨」で長編映画監督としてデビューしています。その後、2008年「ウルトラミラクルラブストーリー」を制作し、前編津軽弁の作品を制作しています。名字は横浜ではありますが、出身の青森県を題材にした作品を制作する監督です。

・駒井蓮は、青森県平川市出身で、中学生のときにスカウトされます。2016年「セーラー服と機関銃-卒業-」で映画デビューをし、2018年「名前」で初主演をしています。2021年「いとみち」では、地元の青森津津軽地方を舞台とした作品で単独初主演をしています。

・原作は、 越谷オサムの小説となっています。

・タイトルの「いとみち」は、三味線を弾くときに指にできる糸道のことになります。

・序盤、津軽弁で音読をするシーンがありますが、正直、何を言っているのか全然わかりません。

・同じ日本の日本語でありながら、方言には地域ごとに驚かされることは多いです。

・本作を観るには、字幕表示をして観ることを推奨します。

・「津軽弁、全部理解するのは今も無理」

・とあるバイトを始めるのですが、そのバイトは、メイド喫茶のメイドとなります。

・「板柳町」から「青森」までの路線が描かれますが、この距離は意外と遠く、東京と横浜ほどの距離があります。

・なお、メイド服の着こなしを整えるときに、この主人公の身長がかなり高いのが気が付きます。

・メイド喫茶自体は、だいたいどういう場所かはわかりますが、お客も店員も、その空気感をわかった上で行くところであり、遠慮や気恥ずかしさを感じながらやるところではありません。

・父親役を豊川悦司が演じていますが、この飄々としながらも、どこか娘を気にしてくれているところは良い感じです。

・諍いがあって、そのために実家を出ていくのに、部屋の電気を消すところに律儀さを感じます。

・三味線を使ったライブをするところが終盤の盛り上がりではありますが、三味線であるところに大きな意味があります。

・徐々に集まってくるお客には、なんとも言えない気持ちとなるわけですが、メイド喫茶自体、秋葉原にあるような客層やイメージとは異なることに意味もあり、客層も当然変わってきているわけです。

・なかなか垢抜けないいとのキャラクター性もあることで、ライブを行うシーンにはちょっと心動かされます。

・なお、駒井蓮は三味線自体はもともと弾いたことはなかったようで、1年間練習したとのことです。楽器を弾けることはどんなひとでも魅力的にはみえます。

・父と娘の関係を描くことでまとめていますが、序盤を終盤では妙にぎこちなかった表情や行動に変化を感じてしまい、演技なのか、実際の素の姿なのかわからない錯覚をします。

・ポスターからはポップな印象を持ちますが、実はしっかりと地に足のついた作品である意外性のある良作です。

https://www.youtube.com/watch?v=PvunxW_8La8
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