【日本映画】「彼女がその名を知らない鳥たち〔2017〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 北原十和子は、15歳年上の佐野陣治とともに生活をしていた。社会的地位もお金もない彼だったが、彼に依存をしながらも、他の男性とも関係を持つ彼女を中心に、本当の愛情とはなにかを描いた作品。

彼女がその名を知らない鳥たち

観る人によって受け取り方が変わるため、万人にお勧めできる作品ではありませんが、観賞後に考えさせられる要素のある映画

・監督の白石和彌は、助監督経験を経て、「ロストパラダイスイントーキョー」で長編デビューをし、その後、良作を作り続けている監督で、個人的に好きな監督の1人です。

・蒼井優は、監督作品「リリィシュシュのすべて」でデビュー後、映画作品を主として活躍している女優です。透明感のある雰囲気とはウラハラにしっかりとして主張のある女優です。

・阿部サダヲは、劇団「」の役者として活動し、グループ魂のバンドボーカルとしても活躍している俳優です。

・物語は、同棲している相手の稼ぎに依存しながらも奔放に生きる女性と、彼女に執着している男性の究極の愛を描いたストーリーです。

・ 「九月が永遠に続けば」「ユリゴコロ」などの沼田まほかるの人気小説を実写映画化しています。

・序盤は、虐げられながらも、一途に支える十和子を支える陣治の生活を描いており、多少勝手な十和子に嫌悪感を抱きそうになります。

・しかしながら、陣治の執着もかなり鬱陶しいところもあり、このカップルの空気感に感情移入しづらいところも出てきます。

・そこで発生する十和子の愛人の失踪という事件が発生し、陣治に疑いがかかるような流れとなってくることで、ラブストーリーとはかけ離れたような展開となってきます。

・この事件をきっかけに、感情のすれ違いがどんどん広がって行きますが、それでも執着する陣治には、怖さすら感じてしまいます。

・問題になってくるのは、終盤の展開であり、二人の世界で収束していくところが、いろいろと考えさせられます。

・映像は、独特のトーンで多少青味がかったような色彩ですが、この要素が物語のリアル感とファンタジーの境界を絶妙に描いているところかもしれません。

・彼女がその名を知らない鳥たちという題名が示すとおり、終盤での決断とその風景を飛ぶ鳥には二人の感情の違いのメタファーになっているようにも思えます。

・何故ここまで陣治が十和子に執着するところには、詳しい説明が省かれているように思えますが、こういった要素があるからこそ、結末をどう捉えるかの観るものの視点が問われるのかと思います。

・観る人によって受け取り方が変わるため、万人にお勧めできる作品ではありませんが、観賞後に考えさせられる要素のある映画です。

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