【日本映画】「火口のふたり 〔2019〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【原作】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 永原賢治は、東日本大震災から7年経過し、その中で離婚、転職、倒産と災難があり、それでも日々生活をしている青年。知人の佐藤直子の結婚式に招待され、故郷の秋田に戻るが、そこで2人は昔付き合っていた頃の話をする。

火口のふたり (R15+)

2人の会話と行動の物語には、積み重ねられた年月の記憶が込められているのかもしれません

・荒井晴彦監督は、1971年より若松プロで助監督をし、1977年『新宿乱れ街 いくまで待って』の脚本で注目されます。その後、話題作を作り、1997年「身も心も」で監督デビューをしています。

・本作は長編監督3作目となります。

・柄本佑は、父親がでもあり、高校在学中に応募したオーディションに合格し、俳優活動を開始します。2003年「美しい夏キリシマ」で映画初出演にして初主演となり、数々の作品に出演しています。2018年『きみの鳥はうたえる』が評価され、第92回キネマ旬報ベスト・テンと第73回毎日映画コンクールで主演男優賞を受賞しています。

・瀧内公美は、映画のエキストラがきっかけで事務所に所属をし、その後、2014年『グレイトフルデッド』で映画初主演を果たしています。その後、『日本で一番悪い奴ら』『彼女の人生は間違いじゃない』などの作品に出演し、独特な存在感のある女優です。

・原作は、2012年に発表された白石一文の小説となり、脚本は荒井晴彦監督が手掛けています。

・物語は、ほぼ2人しか登場しない内容でもあり、その中で描かれる男女の関係のストーリーです。

・いきなり「終わり?」という感じのオープニングですが、意外と嫌いじゃないです。なんというか、昭和な感じがします。

・この2人の関係は、いとことなっていますが、男女の関係があったところもあります。

・結婚を決めた直子自体も、旦那の自衛官が仕事のため家に帰って来れないというところから、ちょっとした気持ちが揺らいだのかと思います。

・25歳の賢治と20歳の直子の東京での暮らしがモノクロ写真で残っていますが、結婚をしようとしている女性が持つべきものではないのかもしれません。

・が、すでに直子自体は、そういう気持ちはまだ残っていることになります。

・2人の物語ではありますが、序盤の状況説明という点では、かなりな説明セリフとなっており、モヤモヤします。

・モヤモヤするんですが、「火口のふたり」というところの伏線もしっかり用意されています。

・火口に吸い込まれているというところがちょっとイメージのような印象があります。

・柄本佑自体、個人的にですが、かなり魅力ある役者と感じていますが、その理由はちょっと言い表しにくいところがあります。

・「怖くない?」

・このセリフは妙味があり、前後関係を考えても、対比的な印象があります。

・男女の肉体関係を描いた物語とはなりますが、それだけではとどまらないなにかがあるのかとは思います。

・直子の感情の揺れ動きから始まるところではありますが、R18+の指定ではあるので、未成年の人には本作はおすすめできません。

・バスの中でのとあるシーンがありますが、観ている方がかなりモヤモヤしてしまうところがあります。

・直子自体ははじめから結婚する気があったのかというところが気になりますが、マリッジブルーとは違う言い表しくいところがあります。

・「子供を産むために結婚するなんて、動機不純だってケンちゃん言ったよね」

・終盤付近となり、富士山の噴火をほのめかすことがでてきますが、突然ではなく、しっかりとした伏線はあります。

・「身体の言い分」というところがありますが、本作では、そういうことを言葉ではなく、行動で指し示したとも思え、感情と身体というところでの狭間を火口というところに例えているのかもしれません。

・富士山の噴火にはちょっとギャグっぽい印象もありますが、明らかにその火口にいた二人がどうなって行ったのかという暗示でもあるように思えます。

・年齢制限のある作品でもあり、気軽に観るという作品ではありませんが、この2人の会話と行動の物語には、積み重ねられた年月の記憶が込められているのかもしれません。

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