【監督】タイ・ウェスト
【出演】ミア・ゴス/デヴィッド・コレンスウェット/タンディ・ライト/マシュー・サンダーランド/エマ・ジェンキンス=プーロ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 パールは、映画に出演するような華やかなスターに憧れている女性。若くして結婚したパールは、実際には人里離れた農場で、父親と母親のもとで暮らしていたが、母親の抑圧的なところから、徐々に狂気が増していく。
ミア・ゴス自体の狂気が本作のポイント
タイ・ウェスト監督は、2005年『The Roost』で監督デビューをし、2009年『The House of the Devil』が話題にもなります。俳優としても活動しており、監督や脚本家、俳優と多彩な才能がある監督です。
ミア・ゴスは、2013年「ニンフォマニアック」で映画デビューをし、その後、「サスペリア」「ハイ・ライフ」などに出演し、「X エックス」シリーズで話題となり、着々とキャリアを重ねている女優です。
本作は、2022年「X エックス」の続編であり、60年前野前日譚となっています。パールがどのようにしてシリアルキラーになったのかが描かれます。
物語は、若くして結婚した主人公は、父親と母親の世話をしながらも、抑圧された生活を送る。母親の締め付けが厳しいところで、「お前は一生農場から出られない」ということで狂気と化していくストーリーです。
序盤から、農場で働くパールの姿が描かれます。近くの池にいるワニに家畜のアヒルを食べさせるなど、ちょっと普通とは違う感じが描かれます。
時代設定は、1918年のテキサス州の田舎となり、演出もチョット古めかしい感じとなっています。
農場のカカシとダンスをするシーンからの流れで、すでに狂気があるところがわかりますが、そこからさらにパールが抑圧された生活から逃れたいところがなんとなく描かれていきます。
中盤過ぎに、パールの独白シーンが非常に長いのですが、パール自身がどう思っているのかがとても良くわかります。
「もう、ひとりぼっちは嫌なの、つらすぎる。」
とはいえ、この解決策がなく、どうしていいのかわからないようなところがあります。そこからの展開的には抑圧された母親からの開放と、パール自身が孤独でいた事の反動で展開していき、「X エックス」でのパールがなぜこうなったのかがわかる感じです。
終盤にパールが用意するごちそうと、ディナーをするシーンは、なかなか衝撃的な感じもあります。
パールの夫のハワードが戦地から帰還してくるところで終わりますが、このラストシーンは必見過ぎるところがあります。演技以上のなにかしらの狂気があります。
ミア・ゴス自体の狂気が本作のポイントでもあり、続編でありながらも、本作を観てから「X エックス」を見返すという見方でもよいです。
本作は、3部作の構想があり、3作目『MaXXXine』も準備中であります。