作品紹介
【監督】大田雄史
【出演】西岡星汰/渡辺佑太朗/松本妃代/三浦獠太/乃中瑞生/中山翔貴/前野朋哉/平泉成 ほか
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】取り壊しまで残り5日となった木造学生寮を舞台に、そこで暮らす若者たちが、それぞれの悩みや将来への不安、仲間との別れを抱えながら最後の日々を過ごしていく青春群像劇。
何気ない時間が「もう二度と戻らない時間」というところ
大田雄史監督は、京都大学在学中に演劇活動を行い、2023年「うかうかと終焉」で自身が手掛けた受賞戯曲を自ら映画化しています。
西岡星汰は、兄弟が高一ミスターコンに勝手にエントリーさせられ、グランプリを獲得しています。2020年にテレビドラマに出演し、2023年「うかうかと終焉」で映画デビューをしています。
本作は、第23回日本劇作家協会新人戯曲賞を受賞した同名戯曲の映画化です。
物語は、大きな事件が起こるわけではなく、学生たちが麻雀をしたり、お酒を飲んだり、他愛もない会話を交わしたりする日常が丁寧に積み重ねられ、学生寮の人々の姿を描いたストーリーです。
その何気ない時間が「もう二度と戻らない時間」というところも感じさせるところもあり、その部分で心に訴えてくるところああります。
「建物そのものが一人の登場人物」のように描かれているところもあり、古びた木造寮には長年積み重ねられた生活の跡が残っていることで、壁の落書きや部屋の空気、廊下の軋む音までが、その場所で過ごしてきた人々の歴史を物語っています。
本作は「卒業」を描いた作品でもあり、「別れ」を描いた作品でもありますが、必要以上に感傷的に演出することもなく、登場人物たちはそれぞれ将来への期待や不安を抱えながら前へ進もうとしますが、その姿はどこか私たち自身の学生時代とも重なります。
全体的に会話劇を中心とした作品であり、派手な展開やドラマチックな出来事を期待すると少し物足りなく感じる人もいるかもしれません。演劇が原作ということもあり、テンポはゆったりとしていて、登場人物同士の会話をじっくり味わうタイプの作品です。その空気感に入り込めるかどうかで印象は変わりそうです。
派手さはありませんが、観終わったあとにじんわりと余韻が残る作品です。青春映画が好きな人はもちろん、学生時代の思い出や、失われていく風景に心を動かされる人には特におすすめしたい作品です。
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