作品紹介
【監督】細田守
【出演】芦田愛菜/岡田将生/山路和弘/柄本時生/青木崇高/染谷将太/白山乃愛/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 スカーレットは、父を殺して王位を奪った叔父クローディアスに復讐を誓うが、失敗をして「死者の国」で目を覚ます。そこで現代の日本から来た看護師の青年と出会い、ともに旅をしていく。
スカーレット自身の人物像がちょっと浅かったところ
細田守監督は、中学時代に劇場版『銀河鉄道999』や『ルパン三世 カリオストロの城』に影響を受け、アニメーターを目指し、スタジオジブリには採用されなかったものの、東映動画で原画や演出に携わり、1999年『劇場版デジモンアドベンチャー』で監督に抜擢され、2000年『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で高い評価を得ています。その後、2005年『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』を制作し、フリーの演出家となります。2006年『時をかける少女』2009年『サマーウォーズ』を制作し、ヒットを飛ばしています。その後は、スタジオ地図を設立し、コンスタントな映画製作に取り組んでいます。
芦田愛菜は、母親に進められ、3歳より芸能界デビューをしています。2011年「マルモのおきて」で人気となり、以降様々なメディアに登場しながらも、難関校でもある慶應義塾中等部に入学しています。
岡田将生は、中学2年のときに原宿でスカウトされ、一旦は断るも、のちに芸能事務所に所属し、デビューしています。その後、2007年「アヒルと鴨のコインロッカー」で 映画デビューをし、着々とキャリアを重ねています。2014年には、蜷川幸雄演出による舞台にも出演し、幅広い活動をしています。
物語は、父を殺され、王位を奪った叔父に復讐を果たすために戦いを挑むが、失敗をして「死者の国」で目を覚ます。そこには、仇である叔父のいることがわかり、復讐をしようとするが、現代の日本から飛ばされてきた看護師の青年と出会い、「生きるとはなにか」を考えていくストーリーです。
序盤から、この世ではないどこかにいるスカーレットが描かれ、そこから、スカーレットの父親がなぜ殺されてしまったかの過去が回想されていきます。
導入からずっとスカーレットの絶望が描かれていくので世界観を理解してくのにはなかなか難しいところがあります。
スカーレットの行動原理は父親の復讐で突き動かされているので、スカーレットに感情移入できない時点で本作にはのめり込みにくいところがあります。
また、看護師の青年が登場したことで中世の時代だけではない不思議な世界観にいることがわかり、死後の世界では、様々な時間を超えた人々がいることがわかります。
また、死後の世界でも戦いがあり、そこでさらに死を迎えてしまうという点で、序盤30分でも世界観の細かいところが理解しづらいところは多少致命的です。
現代と中世での生きる価値観と命の意味を考えるのが本作の中心にあるところでもあり、中世の世界観の中に現代の渋谷が出てくるところに違和感は感じますが、そもそも、理屈でできている世界観ではないので、死後の世界については受け付けにくいのは当然なところもあります。
本作は、生きる意味を考える作品でもあり、世界観自体が異質なので、受け入れられにくかったところもあるのでしょう。
「神様には人間の言葉は通じない、だから、踊りで我らの想いを伝えるのだ。」
死後の世界の途中で出会ったキャラバンの人らにそのことを教えられます。
今回はCGを使った作画も活用されており、動きや表情にリアル感があるものの、アニメらしくないところに、本作のちょっと拒んだいるような作品感があります。
背景などにはリアルでこだわった感じがありますが、人物の表情がアニメ独特なところがあり、近年のアニメにあるあるですが、リアルに寄せようとして、アニメの表現の良さをなくしてしまっているところはちょっと残念なところです。
急に渋谷の街角で踊るシーンは唐突ではありますが、このシーンの意味は序盤ですでに語られているので、意味が汲み取れない場合は、このシーンに何も見いだせないところはあるのかもしれません。
序盤で「見果てぬ場所」についての説明がサラッと行われますが、徐々に本作の着地点がわかり始めるところもあり、本作のメッセージと死後の世界の物語の展開がなかなか一致しないところも本作が難解な感じを受けてしまいます。
「お前がここにいる理由は何だ?」
死後の世界の物語と理想が描かれるシーンが織り交ぜられており、本作は、本来復讐譚ではなく、生きる意味とメッセージがあるはずです。
やはり世界観の説明不足な点と、主人公の感情の変化をどう受け入れるのかによって、本作の評価が変わるかもしれません。
スカーレット自身の人物像がちょっと浅かったところに、本作が受けれづらかったのかもしれません。
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