作品紹介
【監督】内田英治
【出演】北川景子/森田望智/佐久間大介/渋谷龍太/渋川清彦/池内博之/田中麗奈/光石研/渡瀬結美/加藤侑大/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 永島夏希は、借金取りに追われ東京に逃げてきた女性。借金を返せない状況で、ドラッグの売人となる。
序盤の時点で感情移入ができなかった点からも
内田英治監督は、テレビのディレクターや雑誌ライターを経て、1999年に脚本家デビューをし、その後、2004年『ガチャポン!』で映画監督デビューをしています。2019年「全裸監督」など独特な作風の監督です。
北川景子は、神戸でスカウトされ、2003年よりモデルデビューをしています。その後2006年「間宮兄弟」で映画初出演をし、同年『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でハリウッドデビューもしています。2006年『チェリーパイ』で映画初主演もこなり、その後、テレビや映画と幅広い分野で活動している女優です。2016年にDAIGOと結婚しています。
物語は、借金で子供とともに東京に逃げてきた主人公が、ドラッグの売人となり、スリリングな日々を過ごしながら子供の夢を叶えるため、危険な世界に入っていくストーリーです。
序盤では、夏希の考え方や行動に共感しづらい部分があります。
「髪の毛染めてて、誰かに迷惑かけたんですかね?」
この時点でもう主人公には感情移入できなくなりました。誰かに迷惑をかけているかかけていないかという点では、髪を染める時間と労力と費用の拠出は子ども手当の前倒しのお願いとなっている以上、主人公の論点はただの屁理屈でもあります。視野が狭いんでしょうね。
バイト掛け持ちでスナックで飲まされた帰りの道で、廃棄された餃子弁当に目がくらみ、さらに、MDMAの売人が近くで襲われたことで持っていた売人からドラッグを盗み、色々とすさんでいるところがありますが、真っ当なことをしていないという多少の良心の呵責は持っているようです。
良心の葛藤があるからこそ、善人でも悪人でもない、現実社会のどこかに存在しそうな人物として描かれているのではありますが、やはり、共感を持てるタイプではないです。
「バイオリンは、勝ち負けちゃうし」
夏希の娘の小春はバイオリンの才能があり、しっかりと演奏ができるのですが、家庭環境の都合もあり、なかなか満足な生活ができませんが、心が折れずに生活しているところは本作の救いかもしれません。
母親が危険な道を歩む一方で、小春は純粋さを失わずに生きようとしており、その存在が作品全体の救いとなっています。もし小春という存在がいなければ、本作はさらに重苦しい作品になっていたかもしれません。
中盤過ぎにとある事故が起こりますが、本作の物語の構成上、星崎家の話は事情と物語との関連が薄いところもあり、いまいちピンと来ないのですが、そこはソレとして流して置くほうが良いです。
むしろ、星崎家に関する描写は、物語上の意味は理解できるものの、夏希たちのストーリーとの結び付きがやや弱く感じられ、観ている最中に少し物語を見失ってしまうところも感じます。
「そろそろ潮時かもなぁ」
悪銭身につかずということが本作のちょっとした教訓的な感じもし、いまいち理解しづらい感じのところもあります。
終盤は、芳井多摩恵の格闘技の話となっていくわけですが、他にも星崎家の話や夏希の家族の話もあり、いくつもの人間模様が描かれているのはわかるのですが、流石に散漫としている印象もあります。
予定調和な物語の落としどころでもあり、序盤の時点で感情移入ができなかった点からも、本作の物語の設定に問題があったのかなあとは思います。
内田英治監督の演出ではあるので、わかりやすくできている作品でもあり、事前の情報を必要なく観られたのですが、もうちょっと物語の主軸がまとまっていてほしかった気もします。
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