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【監督】ミシェル・アザナヴィシウス
【原案】上田慎一郎/和田亮一
【出演】ロマン・デュリス/ベレニス・ベジョ/グレゴリー・ガドゥボワ/フィネガン・オールドフィールド/マチルダ・ルッツ/ジャン=パスカル・ザディ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】日本で大ヒットした映画「ONE CUT OF THE DEAD」をフランスでリメイクすることになり、その放送を30分ワンカットで撮影することを行う。しかし、リハーサルとは異なるトラブルや、日本人プロデューサーの意見などが入り、撮影が難航していく。
「カメラを止めるな!」の海外向けの作品であり、日本で逆輸入で観たときになんとなく違和感を感じてしまう
ミシェル・アザナビシウス監督は、テレビ界で作品を制作しており、1988年に監督をしています。その後、CMやテレビ映画を制作しています。2006年『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』がヒットしたことで、広く知られ、2009年『OSS 117 リオデジャネイロ応答なし』で続編も制作しています。2011年「アーティスト」で高く評価され、第84回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、作曲賞、衣装デザイン賞を受賞しています。
上田慎一郎は、中学時代からハンディカムで自主映画を撮り始め、2009年自主映画団体「STUDIOMAYS」に参加し、映画を作成し始めます。数々の作品を手掛けた後、2017年『カメラを止めるな!』で劇場用長編映画デビューをし、低予算映画ながら莫大な興行収入の記録となります。
ロマン・デュリスは、セドリック・クラピッシュに見いだされ、1994年「青春シンドローム」で映画デビューをしています。その後、クラピッシュ作品の常連となっています。コンスタントに映画に出演していますが、日本未公開作品も多いです。
物語は、日本でヒットした映画「ONE CUT OF THE DEAD」のリメイクをフランスで行うこととなり、日本人プロデューサーや30分ワンカットということを行っていくことで、トラブルの中、作品が完成できるのかというストーリーです。
序盤から、ゾンビ映画の撮影シーンが行われますが、これが劇中劇の体裁をとっており、オリジナル作品と同様に複雑なトリックのもとで物語が進んでいきます。
やっていることは「カメラを止めるな!」と同じなのですが、日本人が演じると、コントっぽいところもコントに見えますが、外国人が演じてしまうとどうも、コントには見えにくい印象があります。
すごいと思えるところは、ほぼ同じような場所での撮影ができていることで、むしろ制作側の愛情を感じます。全体的な流れは同じですが、チョイチョイアレンジされているところはあります。特に、本作は「カメラを止めるな!」の日本版の続編のテイストがあり、それがありきでの展開となります。なので、すでに「カメラを止めるな!」を知っているところが前提となりかけますが、実際には本作だけでも十分楽しめます。
問題は、日本人であればやはり日本版「カメラを止めるな!」を観ればよいわけで、わざわざフランス版を観る必要が薄いところです。ですが、フランス人から考えれば、日本版「カメラを止めるな!」はやはり言語と人種の問題もあるので、海外の人にはむしろ本作のほうが楽しめるとは思います。
つまり、本作は「カメラを止めるな!」の海外向けの作品であり、日本で逆輸入で観たときになんとなく違和感を感じてしまうのはココにあります。
オリジナルを超えるリメイクと言うのはなかなか難しいところですが、さらに言えば、本作は、日本向けにはあまり考慮していないと考えるのが順当です。