作品紹介
【監督】石橋夕帆
【出演】岡本玲/長村航希/坂ノ上茜/岩田奏/石山愛琉/日高七海/里内伽奈/中山求一郎/長友郁真/濱田マリ/原日出子/平田満/
【あらすじ】主人公 美咲は、東京で働く32歳の女性。10年間勤めていた会社に居づらくなり退職をし、将来が見えないまま実家へ帰った美咲は、地元で開催された同窓会で、学生時代の初恋の相手が2年前に亡くなっていたことを知る。
その出来事をきっかけに、空っぽだった美咲の心は、初恋の思い出で少しずつ埋め尽くされていきます。
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## 派手さはなくてもじんわり残る作品になりそう
石橋夕帆監督は、2015年『ぼくらのさいご』で各映画祭で評価を得ています。その後、2017年『水面は遥か遠く』でショートショートフィルムフェスティバル&アジアミュージック・ショート部門奨励賞を受賞し、着実にキャリアを重ねている監督です。
岡本玲は、2003年『ニコラ』の専属モデルオーディションでグランプリを受賞し、芸能界入りをしています。2007年『生徒諸君!』でドラマ初出演をし、2008年「憐 Ren」で映画初出演をしています。以降、ドラマや映画、舞台など幅広い作品で活躍している女優です。
本作は、仕事にも恋愛にも人生にも行き詰まった30代女性が、学生時代の初恋の記憶を頼りに、自分の人生を見つめ直していくストーリーとなっています。
初恋の記憶を単なる懐かしさや感傷だけで終わらせず、現在の主人公の人生とどう結びつけていくのかという部分が興味深いところです。
美咲は、10年間勤めた会社を辞め、将来が見えないまま実家に戻るという状況にあり、初恋の記憶は単なるロマンチックな回想ではなく、人生の空白を埋めるものとして立ち上がってきている印象です。
「過去を思い出すこと」が現実逃避になるのか、それとも前に進むためのきっかけになるのかが重要になりそうです。
亡くなった初恋相手を思い返すという設定は、扱い方によっては重くなりすぎる可能性もありますし、逆にきれいにまとめすぎると物足りなくなる可能性もありますが、石橋夕帆監督の作風を考えると、大きな事件や派手な展開で見せるというよりも、主人公の表情や沈黙、何気ない会話の中で感情を積み重ねていく作品になっていそうです。
人生が止まってしまったように感じる時に、人は過去のどこへ戻ろうとするのか、戻れない過去と向き合った先に、今の自分をどう受け止めるのか、その内容を丁寧に描けていれば、派手さはなくてもじんわり残る作品になりそうです。
全体としては、大きな展開を楽しむ映画というより、主人公の心の揺れを静かに追いかけるタイプのヒューマンドラマとして期待できそうな作品かと思います。
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