【洋画】「ウルフ・オブ・ウォールストリート〔2014〕」★★★★☆

作品紹介

【監督】マーティン・スコセッシ
【出演】 レオナルド・ディカプリオ/ジョナ・ヒル/ジャン・デュジャルダン/ロブ・ライナー

【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公ジョーダンは、22歳で入社した大手証券会社で半年間に渡る研修をようやく終えた初日にブラックマンデーで突然無職となる。次の仕事では株式のトレーダーとなり、得意の話術と巧みな手腕で頭角をなしていく。

監督:マーティン・スコセッシ, プロデュース:レオナルド・ディカプリオ, プロデュース:リザ・アジズ, プロデュース:ジョーイ・マクファーランド, 出演:レオナルド・ディカプリオ, 出演:ジョナ・ヒル, 出演:マーゴット・ロビー
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望んだ世界とは異なる「歯車が止められない」ジレンマとその中でもがき苦しむさまが恐ろしくもあり、まさにスコセッシ節

マーティン・スコセッシ監督は、幼少期から喘息持ちでカトリックの司祭を目指してましたが、ベトナム戦争の徴兵を逃れ、大学で映画製作の勉強をします。1969年『ドアをノックするのは誰?』で初監督をし、注目され、1972年『明日に処刑を…』を監督しますが、期待外れとなり、原点回帰として1973年『ミーン・ストリート』を監督しています。その際にロバート・デ・ニーロが出演し、以来、名コンビとして数々の作品を残しています。1976年『タクシードライバー』でカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞し、有名監督の仲間入りをします。その後、『ニューヨーク・ニューヨーク』『レイジング・ブル』『キング・オブ・コメディ』『グッドフェローズ』『ケープ・フィアー』と作品を生み出し、2002年「ギャング・オブ・ニューヨーク」では、レオナルド・ディカプリオとのコンビで傑作を生み出しています。2006年「ディパーテッド」では、アカデミー作品賞と監督賞を受賞し、「シャッター アイランド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」などの作品も制作しています。マフィアものなどの作品を多く手掛けるのはもともとシチリア系イタリア移民の家に生まれていることが由来していることもあります。非常に良作を数多く制作している巨匠です。

レオナルド・ディカプリオは、14歳でテレビCMに出演し、1991年「クリッター3」で映画初出演をしています。1993年「ボーイズ・ライフ」の好演と、「ギルバート・グレイプ」で強烈な印象を残しており、高い評価を得ています。その後、1997年「タイタニック」で非常に高い評価を得て、確固たる人気となります。「ザ・ビーチ」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」などに出演し、「アビエイター」「ディパーテッド」「ブラッド・ダイヤモンド」で数々の賞にノミネートされています。「シャッター アイランド」「インセプション」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でも高い評価を得ており、2015年「レヴェナント: 蘇えりし者」では、 アカデミー主演男優賞を受賞しています。若い頃からアイドル的人気もありましたが、演技力でも風格のある役どころをこなしており、出演作が毎回注目される俳優です。

本作は、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオのコンビを組んだ5作目。

ウォール街を舞台とした、主人公の栄枯盛衰を描いた物語です。

マーティン・スコセッシ監督のお得意な波乱万丈の顛末を描いた作品で、物語の軽妙さは、さすがの一言です。

内容は、主人公がトントン拍子で時代の寵児となり、些細なきっかけで転落を歩み始めてしまう展開で、ある意味、教訓として観ることもできますが、一歩踏み入れた世界から抜け出すことが出来ず、徐々に悪い方向に風向きが変わっていく。

この辺りの描き方は、望んだ世界とは異なる「歯車が止められない」ジレンマとその中でもがき苦しむさまが恐ろしくもあり、まさにスコセッシ節とも言えます。

欲望のままに進んでいく人生をテンポ良い音楽とディカプリオのクレイジーな言動に怖いもの見たさの衝動にかられます。

中盤で描かれるドラッグ中毒と強引な豪遊のさまはまさしく普通では遭遇できない光景でもあります。

破滅していくさまには、自業自得という見方もできそうですが、実際、富と権力を持った人の一つの終着点とも思えます。

世の中には、成功する者と成功して失敗する者、成功すらできない者が少なからずいるということで、平凡が一番ということにも思えますが、一度違う世界を垣間見たものは、その深淵から覗く悪魔のささやきは抗えないこともあるのだということも感じます。

予告編

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