【洋画】「アド・アストラ〔2019〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/ジェームズ・グレイ/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ロイは、父親と同じように優秀な宇宙飛行士でした。ある日地球に降り注いだサージ電流で軌道施設の事故に見舞われるが無事に生還し、そのサージ電流の原因は海王星付近にある探査船「リマ」から発信されていたとわかり、そこには16年前に事故死した父親の生存の可能性があるとわかる。

SFファン向けには満足できる内容かと思いますが、それ以外の人にも興味深く観られる作品

ジェームズ・グレイ監督は、1994年『リトル・オデッサ』で長編監督デビューをし、第51回ヴェネツィア国際映画祭にて銀獅子賞を受賞しています。以降、精力的に映画製作に関わっています

主演のブラッド・ピットは、1987年『追いつめられて』で端役として映画デビューをし、後に『テルマ&ルイーズ』での出演で注目され、『リバー・ランズ・スルー・イット』で知名度を高めています。

1995年『12モンキーズ』で、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し、アカデミー賞助演男優賞にも初めてノミネートされたことで、名実ともに人気のある役者です。

物語は、未来のSF物語であり、父親との関わりを宇宙飛行を通じて解き明かしていくストーリーですが、SFがありながらも、決してSFに始終した展開ではありません。

序盤、サージ電流の事故が描かれますが、衛星軌道上からの落下から見事生還します。

この状況はかなり絶望的な感じがあり、衛星軌道上から落下してパラシュートで生還するというもの凄い映像を見せられます。

近未来の世界を描いた作品ですので、現代の技術的に難しいように見えますが、この世界観では技術が克服しているところになります。

この技術力で世界観をサラッと描いていることで、後々の展開にも説得力が出てきます。

中盤は、月に渡りそこから海王星を目指す展開となってきますが、邪魔者も現れてくるところで、物語の起伏はしっかりと用意されています。

その後、さらに火星へと移動し、そこで探査船「リマ」にコンタクトを取りますが、やはり真相が掴めないことにもなり、ロイは地球に戻されそうとしますが、強引に海王星に向かうことになります。

その間の孤独感を体験してしまうこともあり、父親との関係や自分の周囲の繋がりを思い直すこととなります。

こう言った心理的な要素はSFとは若干異なるところがありますが、そこが普通のSF映画とは一工夫されているところかもしれません。

終盤、サージ電流の原因とロイの心境の変化が丁寧に描かれることで、観ている側の心も動かされる展開となってきます。

SF映画として、序盤での世界観の描き方が綿密なところもあり、さらに予想とは斜め上の展開を描きつつ、SF要素だけに始終しないところが本作の魅力です。

SFファン向けには満足できる内容かと思いますが、それ以外の人にも興味深く観られる作品かと思います。

予告編

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