【洋画】「ANNA/アナ〔2020〕」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/ルーク・エヴァンス/
【個人的評価】

【あらすじ】舞台は1990年。主人公 アナは、ソ連の諜報機関KGBに所属する殺し屋。彼女は、アメリカとの間でKGBとCIAに翻弄されながら、覚醒していく。

さまざまなからくりと伏線が散りばめられており、見応えのある作品

リュック・ベッソン監督は、フランスを代表する監督で、「」「ニキータ」等名作映画を多数製作しています。10作品の監督で引退するといっていましたが、2010年公開の『アデル/ファラオと復活の秘薬』でこれを撤回。2019年現在では、17本の監督作品があります。

サッシャ・ルスは、13歳からモデルデビューをし、2014年ディオールのフレグランス「ディオール アディクト」のCMで評判となっています。2017年「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」で映画デビューをし、2020年「ANNA」で初主演をしています。

物語は、KGBの諜報員となり、5年後に自由を約束されるも、KGBとCIAの間で翻弄されながら、殺し屋として生き抜いていく様を描いたストーリーです。

序盤はソ連で次々ととある人々が拉致や殺害が行われるシーンから始まります。

この物語は時間軸を多少前後するトリックがあり、ことあとにしっかりとこのシーンの理由付けが行われます。

伏線の貼り方と言うよりも、そのままの意味のシーンがのちに背後にしっかり理由があると言う描かれ方がされ、この構造には、今までのベッソン映画と比べ、新たな演出の冴えがあります。

フランスとロシアを舞台に物語は描かれ、序盤は、主人公アナは、あまり良い生活をしているわけではない女性ですが、とあることで、海軍に志願をします。

そこまでの展開は、ベッソン監督のニキータのような「か弱い女性の殺し屋」が成長していく展開となっています。

リュック・ベッソン映画では、主人公以外のキャラクターは意外と無鉄砲なキャラが多く、その点では、かなりモヤモヤします。

KGB組織の訓練の様子は特に描かれず、その後の行動でKGBスパイとしての活躍が描かれます。

はじめての任務が行われ、そこでレストランでの大立ち回りアクションとなりますが、さすがに今回のベッソン映画のアクションは冴えています。

レオンやニキータのようなフランス映画っぽいアクションというよりかは、ハリウッド映画のようなスピード感で演出されています。

アトミック・ブロンドのような感じでもあり、そこまでリアリティとケレン味がある演出ではないですが、コレはコレでよくできているアクションです。

そこから次々と任務をこなしていき、私生活とKGBの生活の二重生活となってきます。

そのため、アナ自身の精神的な苦悩もみられ、活動の過酷さで休暇をとったりします。

その休暇自体にも演出上の仕掛けがあります。

中盤以降の演出と展開のテンポがとても良く、一時期のベッソン映画にある細かいギャグや小ネタはほとんど見られません。

コレは初期からのベッソン映画のファンとしては、ムズムズしていたところを解消してくれています。

強い女性を扱う作品の多いベッソン監督ですが、昔の良いところとハリウッドで培ったエンタテインメント性がうまくマッチングしており、最後のシーンまでテンションが維持されているところは見事です。

終盤、CIAとKGBの三つ巴の演出も見応えがあり、予想をつけずらい展開は、ベッソン映画の見事な復活のようなところがあります。

基本的にはアクション映画ですが、アクション要素だけでなく、さまざまなからくりと伏線が散りばめられており、見応えのある作品だと思います。

予告編

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