【今週公開の新作映画】「PERFECT DAYS(2023)」が気になる。

【監督】

【出演】/石川さゆり/

【あらすじ】主人公 平山は、東京・渋谷に住むトイレ清掃員。淡々と同じような日々を過ごしているように見えたが、彼に取っては毎日が新しい発見の日であった。ある日、思いがけない出来事が起こる。

むしろ、その淡々としたところに魅力があり、鑑賞後には、なにかとても考えさせられるなにかを伝えてくれるのかと

ヴィム・ヴェンダース監督は、大学で、医学と哲学を学びながらも、画家を志すも入試に失敗し、その後彫刻を学びながら、映画批評を執筆した後、1967年に映画監督として活動を開始します。1970年『都市の夏』で初の長編作品を監督し、その後、1972年『ゴールキーパーの不安』で、第32回ヴェネツィア国際映画祭にて国際映画批評家連盟賞を受賞しています。「ロードムービー三部作」や、『パリ、テキサス』、『東京画』、『ベルリン・天使の詩』など、多くの作品で評価される映画監督です。

役所広司は、もともとは役所勤務の職員でしたが、の無名塾に入り、前職の役所勤めというところから芸名を命名してもらっています。

柄本時生は、父に柄本明、兄に柄本佑を持ち、2003年Jam Films S『すべり台』で俳優デビューをしています。その後、2008年『俺たちに明日はないッス』で映画初主演をしています。兄とともに演劇ユニット『ET×2』を結成もしています。2010年「Q10」では、父親の柄本明と共演もしており、個性的な役柄を演じることが多い俳優です。

本作は、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されており、『誰も知らない』の以来、19年ぶりとなる男優賞を受賞しています。

物語は、トイレ清掃員として働き、質素な生活としている主人公が、その日々を通じて、新しいことを発見しながら、ある日、思いがけない再会を主人公が変わっていくストーリーです。

副題に「映画にならなかった、平山の353日」となっています。

Webサイトの作りがちょっと面白く、詩のような語り口で、日々の断片が書かれており、同じような毎日に見えますが、一日一日が違うようなところになっています。

石川さゆりが俳優として出演していますが、かなりレアな感じがしますが、石川さゆり自体は、1973年「としごろ」で映画出演をしており、本作は4作目の映画出演となっています。

本作は、渋谷区内17か所の公共トイレを刷新するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環としてPRを目的としたところから、短編オムニバスとしてのアプローチから映画化をしています。

主人公の平山という名前は、「東京物語」や「秋刀魚の味」などで使われる名前であり、小津安二郎監督作品でよく出てくる名前です。

なんとなくサントリーBOSSのCMでの水道工事のシリーズ感をちょっと感じますが、役所広司が普通の人を演じると、これほどまでにリアリティを感じてしまうところは、日本を代表する俳優だなぁと思います。

淡々とした物語に見えますが、ヴィム・ヴェンダース監督の手腕を考えれば、むしろ、その淡々としたところに魅力があり、鑑賞後には、なにかとても考えさせられるなにかを伝えてくれるのかと思います。

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