【監督】清水崇
【出演】山田杏奈/山口まゆ/神尾楓珠/倉悠貴/工藤遥/大谷凜香/塚地武雅/黒沢あすか/高橋和也/安達祐実/原日出子/國村隼/日置有紀/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】「お姉ちゃん知ってる?この箱が置かれた家はね、みんな死んで家系が途絶えるの・・・。」という言葉より、13年後、2人の姉妹 天沢響と天沢鳴の周囲で樹海での行方不明者が続出する。
もう少しコンパクトにまとめてしまったほうが良かったのかもしれません
清水崇監督は、小栗康平監督「眠る男」やそのほかの映画スタッフとして活動後、2001年「富江 re-birth」で映画監督デビューをしています。ホラー映画を始め、様々なジャンルの作品を手掛けています。
山田杏奈は、2011年「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリを受賞し、誌面モデル「ちゃおガール」として活躍。なお、応募の理由は、グランプリ商品のニンテンドー3DSが欲しかったとのこと。
物語は、世界的にも広く知られる自殺の名所富士の樹海を舞台に、樹海がもとで起こる不思議な現象に、2人の姉妹が巻き込まれていくストーリーです。
通称「コトリバコ」と呼ばれる呪いの箱がもとで、様々なことが引き起こされる展開です。
「入ったら生きては出られない」と噂される富士の樹海を舞台としており、富士山の青木ヶ原の樹海は、富士山の北西にある広大な森林で、自殺の名所と呼ばれていますが、松本清張の『波の塔』でこのことが描かれたことで、有名となっています。
実際には遊歩道も用意されており、キャンプやピクニックが楽しめる場所でもあります。
さらに、溶岩からの磁気で磁石が使えなくなると言われていますが、そんなことはなく、自衛隊の訓練場としても使われる場所となっています。
画面が暗いという点と何を喋っているのかわかりにくい点はあります。
グロい要素もあり、また謎な行動の恐怖感もありますが、犬鳴村と比較してしまうと、物語の本筋がつかみにくいところがあり、散漫とした展開になっています。
要所要所でザッピング的な演出になる点で、主軸に置くキャラクタと状況がつかみにくいところがあり、ホラー要素として怖がらせる前に話がちょっと理解しづらいので、怖いと思う前に、話のつながりが見えにくいところがあります。
なので、ホラー要素はあるのですが、犬鳴村ほどの恐怖感は薄いです。
グロいという要素はありますが、「怖い」と「グロい」はベクトルの異なる要素ではあるので、本作の種時期がどこにあるのかがわかりにくかった点はあります。
エンディングに伏線をあえて張っておくという展開は、「ホラー映画あるある」ですが、本作も同様に、続きをほのめかす要素があります。
ただし、本作で「何が」「どうなって」「どうした」という点を理解しておかないと、伏線自体もいまいちピンとこない要素になってしまいます。
117分という内容ですが、もう少しコンパクトにまとめてしまったほうが良かったのかもしれません。