【洋画】「ブラックベリー(2023)」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】/マット・ジョンソン/リッチ・ソマー//ケアリー・エルウィス/
【個人的評価】

【あらすじ】時代は1996年。カナダの企業 リサーチ・イオ・モーション社を起業したマイクとダグは、会社経営のために、ジムを共同CEOとして招き入れる。スマートフォンの元祖とも言えるBlackBerryの開発と没落を描く。

ブラックベリー

ブラックベリー

Jay Baruchel, Glenn Howerton, Matt Johnson
Amazonの情報を掲載しています

スマートフォンやパソコンなどに興味を持っている人には非常に面白く観られる作品

マット・ジョンソン監督は、俳優として活動後、2014年『ザ・ダーティーズ』で高い評価を得て、スラムダンス映画祭で最優秀長編映画賞を受賞しています。その後、2016年「アバランチ作戦 」でも評価を得ており、2023年には「ブラックベリー」での第12回カナダ映画賞で最優秀監督賞を受賞しています。監督と俳優との活動で着実な評価を得ている監督です。

ジェイ・バルシェルは、カナダの俳優で、1996年頃より活動をし、2000年『あの頃ペニー・レインと』で映画初出演をしています。その後、「ミリオンダラー・ベイビー」などにも出演をしています。2017年には『俺たち喧嘩スケーター2: 最後のあがき』で監督としても活躍しています。

物語は、カナダでIT会社を起業した主人公2人が、後々スマートフォンのBlackBerryを作り上げ、業界に翻弄されながら、栄光と没落を見ていくストーリーです。

序盤から、RIM社に訪れる凄腕ビジネスマンのジム・バルシリーが描かれ、そこで、会社の商品を開発し、売り込もうとしていきます。

「大人になると心が死ぬ」

RIM社は、マイク・ラザリディスとダグラス・フレギンの2人がカナダで創業した会社で、携帯電話を画期的なコンピュータに変える技術がありながらも、ビジネスができないことで新しい共同CEOを招き、会社を変えようとしていきます。

主人公がいるというよりも、マイクとダグラスとジムの3人が中心となり、RIM社の反映と没落を描いた作品でもあり、事実に基づいた内容となっています。

オープニングのタイトルバックでは、1996年当時のIT関連の映像が泣かされ、当時のAppleやMicrosoftなどまだスマートフォンのない時代の社会背景が描かれます。

結局のところ、USロボティクス社からの売上予定である1600万ドルが頓挫していることを後々わかり、ジムを雇入れ、RIM社の借金と大量の在庫を処分をジムが行い、腑抜けた会社を徐々に大きくしてきます。

「サメを怖がるのは、海賊だ」

BlackBerryが生まれる前のRIM社はほぼ倒産寸前というところでもあり、ハッタリも含めて、新しい電話機を売り込みに行きますが、そこでプロトタイプをみせてなんとかプレゼンをします。

結局のところ、マイクのプレゼンするプランにより心を掴み、ベル・アトランティック社(後のベライゾン)と契約を結んでいきます。

「いいえ、これは世界最小の通信端末」

「これ名前は」

ここから、BlackBerryのスマートフォンが生まれていきます。実に2003年の話でもあり、iPhoneが発売される前の話です。

RIM社自体は、買収危機も迎えてしまい、そのためには端末を売らなければならず、通信帯域制限もある中、通信の圧縮と端末の販売を強化していき、自社の株価を吊り上げていかなければならないことになります。

当時はメールを送信することですら困難なことでもあった携帯電話が、徐々に通信方法を改善し、通信エラーも起こる状況ながらも、色々な人を社内にヘッドハンティングをするわけですが、RIM社の内部も、仕事ができる人やそうでない人がおり、妙にリアリティを感じます。

社内ではほぼ遊んでいるような社員ばかりという環境はちょっと衝撃的ですが、もともとのRIM社はベンチャー企業として、ビジネスと言うよりもギークの集まりでできていた会社でもあります。

「それは、世界一の携帯電話を作っているからだ」

50万台の通信制限で回線がパンクしてしまうトラブルから、強引な手法で4倍の200万台までの同時通信が行えることになります。

観ながら思ったのは、現実に最近よく発生しているドコモやauなどで発生している通信障害でもあり、接続端末が多くなってきたことで、技術と使用者のバランスが崩れて生きているのかなぁとも思います。

中盤過ぎにAppleからのiPhoneの発表の基調講演が行われ、BlackBerry側も、一喜一憂しながら、ビジネスを行っていきます。

スマートフォンの登場から、iPhoneと世界での通信技術がどんどん変わってきたこの20年近い歴史の裏でメーカーが熾烈な技術争いをしていたことがわかります。

会社として売れるケータイ電話を作るということの難しさもわかり、ライバル会社に負けないように様々な策を講じていくところは面白いです。

「ウォール街(1987年)」の展開にもなんとなく似ているような気もしますが、どんどん深みにハマっていく展開が徐々に加速していくところに本作の魅力もあります。

「1分の中には1分しかない」

iPhoneの発売でRIM社が窮地に陥っていきますが、終盤の展開はサスペンスフルな展開でもありとてもおもしろいです。

スマートフォンやパソコンなどに興味を持っている人には非常に面白く観られる作品です。

映像が妙に古臭い感じもしますが、あえてこのような画質にしていることで、当時のリアリティも感じるところがあります。

予告編

関連作品

ブラックベリー

ブラックベリー

Jay Baruchel, Glenn Howerton, Matt Johnson
Amazonの情報を掲載しています
Smartphone BlackBerry KEYone, Silver

Smartphone BlackBerry KEYone, Silver

48,000円(02/07 05:32時点)
Amazonの情報を掲載しています
「欲しい!」はこうしてつくられる

「欲しい!」はこうしてつくられる

マット・ジョンソン, プリンス・ギューマン, 花塚恵
2,695円(02/07 06:48時点)
発売日: 2022/01/26
Amazonの情報を掲載しています