【日本映画】「108 海馬五郎の復讐と冒険 〔2020〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】松尾スズキ//LiLiCo//乾直樹/宍戸美和公//村杉蝉之介/オクイシュージ/岩井秀人/酒井若菜/坂井真紀/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 海馬五郎は、脚本家として成功を収め、女優の綾子と結婚をしていたが、ある日、綾子のSNSより、ダンサーの男と浮気をしていることを知り、離婚時の財産分与の際の資産を使い果たすことで、復讐をしようと考える。

108~海馬五郎の復讐と冒険~

表現的にあまり人前で観られる内容ではないので、気になる人は、しれっと観ておくのをおすすめします

・松尾スズキ監督は、漫画家を志していたが挫折し、演劇研究会でコメディにハマる。在学中に劇団エクボを創設し、卒業後の1988年に劇団を設立し、『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』で第41回岸田國士戯曲賞を受賞。その後、演劇や映画、ドラマの作品を作り続け、本作は、映画監督6作目となります。

・中山美穂は、幼稚園の頃から、芸能界に憧れ、中学1年のときに原宿でスカウトされています。雑誌『花とゆめ』の懸賞ページのモデルが初仕事であり、1985年「毎度おさわがせします」でテレビドラマデビューしています。その後、シングル「C」で歌手デビューもし、歌手としての地位を確立しながらも、こだわりのある作品に出演するようになり、安定したイメージのある女優です。

・主題歌は、音楽家で大人計画所属の星野源が担当する「夜のボート」です。

・物語は、妻のSNSより発覚した浮気で、離婚を前提に復讐を考え、財産分与をさせないために、金を使い切ることを考え、108人の女性を抱くことを行っていくストーリーです。

・序盤から、すでに破綻した夫婦関係が描かれ、それでもなお、憎みきれないところがありますが、決定的なSNSの内容を見たことで、考えを変えて行きます。

・ちょくちょくミュージカル要素も混じってきますが、このあたりは、舞台演出家でもある松尾スズキの手腕でもあり、こんなところです。

・中山美穂自体も多少イメージを崩すようなところを踏み込んではいますが、それよりも、松尾スズキのほうがかなり踏み込んでいます。

・問題は、本作は、R18+指定ということで、かなり人にはおすすめできないの内容となっています。

・とはいえ、必見の映画かと言われれば、そこまでは推奨できないので、ある程度の年齢の方に見ていただければ良いです。

・面白いところは、どんどんとエスカレートしていく海馬五郎の行動でもあり、「復讐と冒険」というタイトルでもわかるように、このエスカレートする様を楽しむ作品とも言えます。

・実際、妻のことを描くという点では、すでに序盤で崩壊しており、ほぼ全編は、海馬五郎の「復讐と冒険」にフォーカスされています。

・アリといえばアリですが、全体的にこの「復讐と冒険」にコメディ感を見いだせない人には苦痛な作品となります。

・独特な物語を描く、大人計画の松尾スズキ作品だけあり、この突き抜けすぎていくところは、映画よりも、演劇のほうが良かった印象もあります。

・終盤のオチのつけ方もまさしく「復讐と冒険」であり、結果的には海馬五郎を中心とした物語として終始しています。

・この割り切り方も、この作品の特長でもあり、巻き込まれながらの戻らずに進む様が、「復讐と冒険」といえます。

・表現的にあまり人前で観られる内容ではないので、気になる人は、しれっと観ておくのをおすすめします。

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