【日本映画】「違国日記(2024)」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】瀬田なつき
【出演】/早瀬憩//小宮山莉渚//銀粉蝶/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 高代槙生は、大嫌いだった姉を亡くした小説家。姉の娘 田汲朝は、親類からの暴言を受けていたことで、槙生が朝を引き取ることになる。

他人の本当の気持ちはわからないということがあり、思い込みや憶測だけでは良くないということを感じるかもしれません

瀬田なつき監督は、2003年「とどまるか なくなるか」で映画製作をし、2017年「PARKS パークス」や2020年「ジオラマボーイ・パノラマガール」など、商業映画やPVなど様々な映像制作を行っている監督です。

新垣結衣は、雑誌「ニコラ」のモデルのオーディションでグランプリを獲得し、モデルとして活躍後、2006年「ポッキー」シリーズのCMで人気となり、2005年『Sh15uya』では、ドラマ初出演をしています。2007年『ワルボロ』で映画初出演をし、『恋するマドリ』では初主演も務め、同時に主題歌を歌い歌手デビューもしています。その後、徐々に人気を集め、2011年『全開ガール』では連続ドラマ初主演をしています。映画出演もしていますが、どちらかといえば、テレビドラマの代表作が多く、『ドラゴン桜』『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』『パパとムスメの7日間』『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ『リーガル・ハイ』『空飛ぶ広報室』『逃げるは恥だが役に立つ』と多くの作品があります。2021年にと結婚をしています。

早瀬憩は、2019年「デビュー“推しメン”合同面接会&宣材撮影会2019秋」に合格して芸能界入りしています。2021年『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』でテレビドラマ初出演を市、その後、2022年「Dr.コトー診療所」で映画初出演、2024年「違国日記」で映画初主演をしています。

本作の原作は、ヤマシタトモコ作の漫画であり、2023年6月まで連載されていた「違国日記」となり、全11巻のコミックです。ダ・ヴィンチの「BOOK OF THE YEAR 2023」ではコミックランキング1位になっています。アニメ化も決定していますが、公開時期は未定です。

劇中歌「あさのうた」は、元の橋本絵莉子の曲となります。

物語は、大嫌いだった姉を亡くした小説家の主人公が、姉の娘を引き取ったことで、共同生活を通じてかけがえのない関係が芽生えていくストーリーです。

序盤から駐車場で両親が待っている車に戻ろうとしたときに、事故に遭う両親を見てしまう少女が描かれます。主人公の槙生は、その両親の親戚で、姉妹の妹という設定になります。両親が事故死をしたことで、姉の娘を引き取ることになりますが、槙生と姉は仲が悪かったため、その複雑な関係で物語が描かれていきます。

槙生を演じるのは新垣結衣ですが、感情をなくしたような感じでもあり、ここしばらく、笑顔を売りにした作品は演じていないような感じです。

「だから、あなたを愛せるかどうかわからない。」

「たらい回しはなしだ」

槙生が朝にこのようなことを言い、朝を引き取りますが、その理由等は特に深いわけではなく、嫌いだった姉の娘とはいえ、見過ごせなかったというところなのでしょう。このあとにも引き取ったときの心情が聞かれますが、特に理由が明示されません。

むしろ、新垣結衣の演技が固い意志のような感じを受取り、声の感じも低い声で演じているところもあり、新垣結衣のCMなどでのイメージとはちょっとかけ離れるところもあります。

「気が合わないなら、仲良くする必要ないかぁ」

槙生と朝は共同生活をしますが、とはいえ、2人は特にお互いの生活で深く関わろうという気はなく、特に槙生は、まったくといっていいほど干渉を避けようとします。

「ほかでは換えが利かない存在ってあると思うよ」

「あなたとわたしは別の人間だから。」

槙生は姉との確執が深いところもあり、朝が母親(槙生の姉)のことを好きになってほしいということも叶わないところを宣言されます。思えば、新垣結衣のこの固さは小説家だからという役作りでもあります。

朝は15歳位の設定ではあり、複雑なことを考えるよりも、素直なところが徐々に2人の気持ちの変化につながっていくのかと思います。

「結婚してたら普通で、してなかったら変とかって、もう、わたしはないと思っている」

槙生のキャラクターは特に変人というわけではなく、どこか臆病でありながら、自分が大事なのかなあと思うところでもあります。

「おかあさんはどんな人だった?」

終盤、母が高校生になった朝に送ろうと思っていた手紙の内容は語られますが、他人の本当の気持ちはわからないということがあり、思い込みや憶測だけでは良くないということを感じるかもしれません。

予定調和なハッピーエンドの作品というよりも、人を受け入れていくことについてを描いているところでもあり、とはいえ、すべてのことを肯定しているわけでもなく、ほんのわずか触れ合うことで、どこかにつかず離れずの信頼を持っているところでもあり、この距離感が違国なのかなぁと思うところでもあります。

予告編

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