作品紹介
【監督】城定秀夫
【出演】松本穂香/玉城ティナ/渡邊圭祐/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 富田桃は、元カレの湯川健太朗のSNSより、新しい彼女の真島莉子がいることを知る。莉子を特定して、直接会い、元カレから昔撮影した写真データを取り戻そうとする。
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終盤に、序盤で捨てた本の意味がわかるところも、きっちりと伏線を引いているところがあり、本作が一筋縄ではないところ
城定秀夫監督は、ピンク映画やオリジナルビデオで助監督を務め、2003年『味見したい人妻たち』で映画監督デビューその後もピンク映画のみならず、多彩な作品を送り出している監督です。
松本穂香は、オーディションに合格し芸能事務所に所属し、2015年にロッテとのコラボレーション作品の『LOTTE SWEET FILMS』の第2弾「MY NAME」で女優デビュー、同年の『風に立つライオン』で長編映画デビューをしています。2019年『おいしい家族』で映画初主演をし、以降主演作品が増えています
玉城ティナは「ミスiD2013グランプリ」を受賞しており「ViVi」の専属モデルでもありました。2015年「天の茶 助」で映画初出演をし、2018年「わたしに××しなさい!」で初主演をしています。ドラマやバラエティでも活動し、活動の幅を広げています。
物語は、元カレのSNSから今の彼女を知った主人公が、今の彼女に会い、元カレが撮影した昔の写真を取り戻そうとするストーリーです。
序盤から、図書館で働く桃が描かれ、そこで絵本を手に取り読み始めます。行動がちょっと怪しい感じですが、主人公自体、何らかの問題を抱えているのかなぁと感じます。
もう一人の主人公莉子は、ダンスホールで働いており、彼氏はカメラマンとして仕事をしています。サプライズのバースデーパーティをされたりとなんとなく愛されている感で描かれます。
彼氏の家に行きますが、とある本を持ち出し、しれっと捨てます。この本がなんなのかは説明されませんが、見ていくうちにわかります。
桃が元カノ、莉子が今カノとして、彼氏の健太朗の関係者と言うことが分かり始めます。
桃は莉子にバスの車内で話しかけ、健太朗についての話をします。
「あのさ、さっさと話してくれる」
桃と莉子のキャラクターは意外と正反対のように見え、そこがむしろ本作の面白いところではあります。
桃と莉子の2人で様々な策略を講じながら桃の希望を叶えようとしていきますが、当然、それだけでは、終わらないのが、城定秀夫監督作品の良いところです。
一歩進んで一歩下がるというような作業を繰り返し、結局、目的は徐々に達成され始めますが、物語のメインが桃であり、桃視点の物語であるということがポイントです。
終盤に、序盤で捨てた本の意味がわかるところも、きっちりと伏線を引いているところがあり、本作が一筋縄ではないところがわかります。
登場人物が限られているので、わかりやすさもあり、主人公視点でもあるので、終盤の物語の展開も、意表をつかれる点では、しっかりと楽しめる作品ではあります。
なお、「恋人同士では観ないでください」と書かれている以上、それに従ったほうが良い作品かと思います。