【日本映画】「ノイズ〔2022〕」を観ての感想・レビュー

【監督】廣木隆一
【出演】藤原竜也/松山ケンイチ//黒木華/伊藤歩/知//迫田孝也/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 泉圭太は、過疎化となった孤島・猪狩島で黒イチジクを育てている農家。黒イチジクの栽培が軌道に乗っていた矢先に、小御坂睦雄という元受刑者が島に訪れる。圭太と猟師・田辺純、新米警察官の守屋真一郎の3人の間で起こった事件が、島全体に大きな影を落とす。

ノイズ

ノイズ

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便乗した計画に変わったとしても、代償が大きすぎるのでは?

廣木隆一監督は、数々の映画監督のもとで、助監督として活動し、1982年 『性虐!女を暴く』で長編映画監督としてデビューしています。ピンク映画出身ではありますが、近年では少女漫画原作の恋愛映画を手掛けており、「胸キュン映画三巨匠」の一人に数えられています。

藤原竜也は、1997年に演出の舞台「身毒丸」で主役オーディションで選ばれ、俳優デビューをしています。2000年「バトル・ロワイアル」で主演に抜擢され、その後テレビや映画だけでなく、舞台など幅広い活躍をしている俳優です。

松山ケンイチは、2001年にオーディションに合格しモデルデビューをしています。その後、2002年『ごくせん(第1シリーズ)』でテレビドラマデビューをし、2003年『アカルイミライ』で映画初出演をしています。役作りにこだわりのある俳優です。

神木隆之介は、3歳の頃から、CMに出演し、その後子役としても声優として様々な役をこなし、安定感のある役者です。

原作は、筒井哲也の漫画で、グランドジャンプ で連載しており、現在は完結しています。

物語は、小さな孤島で農家を営む主人公とその幼馴染の間で起こった不慮の殺人が、徐々に大きな問題となっていくストーリーです。

序盤から圭太の家族の農家ながらもうまく農業が進んでいるところを描いています。そこから、島の部外者の小御坂睦雄がやってきたことで、事件が起こります。そこでタイトルとなり、本作は起こってしまった殺人事件を主軸とした小さな島での物語となります。

突然起こってしまった出来事に取り繕いをする圭太と3人ですが、ほころびが生まれ、さらには、島には警察が上陸し、徐々に計画が変わっていきます。

きっちりとミスリードするような展開を中盤から仕組んでおり、ある程度予測できそうな結末なだけに、このミスリード感はなかなか良いです。

本作の良いところは、たっぷり演技の藤原竜也と、その対局にいそうな松山ケンイチ、さらにその間の神木隆之介が主要キャストになっているところが、とても良いバランスになっています。

終盤、松山ケンイチと藤原竜也の2人芝居シーンはなかなかグッときます。終盤で、さらに大きなトラップも用意されており、この描き方はサスペンスではあるあるながらも、きっちりと面白さがあるように観せてくれます。

「終わったとおもうなよ」

最終的に3人の関係性に迫る内容となりますが、よくよく考えると、正当防衛という点では、特に死体を隠す必要もなかったわけで、とある 人物の願望があったにせよ、島の来訪者は予測外のことでもあり、便乗した計画に変わったとしても、代償が大きすぎるのでは?とモヤモヤする点はあります。

深く考えなければ、サスペンスものとして観られますが、シリアスなストーリーっぽく見えて矛盾点もありますので、藤原竜也の「キンキンに冷えてやがる」くらいのアドリブを入れていたほうが、本作の粗も多少許容できたような気もします。

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