【日本映画】「君が君で君だ〔2018〕」★★★★☆【感想・レビュー】


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作品紹介

【監督】

【出演】/満島真之介//YOU
【個人的評価】

【あらすじ】韓国人のソンに恋をした3人の男性が、ソンの好きな人物になりきって10年間見続けて来ました。尾崎豊・・坂本龍馬となり、本名を捨ててまで彼女を見守る3人を描いた作品。

序盤から終盤まで一貫してぶっ飛んでいることを丁寧に描いている点では、さすがです

松居監督の映画で、今作は、原作と脚本も手掛けています。

オリジナル原作の作品は、本作では初めてとなります。

「自分の事ばかりで情けなくなるよ」や「私たちのハァハァ」では独特の世界観をしっかりと描く安定感があります。

物語は、ポスターの写真とは異なり、3人のキャラクターがぶっ壊れています。

この部分を受け入れられるかどうかで、本作の評価が変わります。

尾崎豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬という、彼女の好きな人物になりきり、彼女の行動を監視して、10年間ひたすら見守り続けている様は、ストーカーのようで、ストーカーではない、なんともいい表わせられない行為です。

その壊れ方が徹底しているので、この3人の言動に興味が湧きます。

特に、池松壮亮はこういうキャラクターが上手いと思います。

ちょっと「」と被る要素もありますが、それはそれ。

3人がなぜ彼女を好きになったのかと言うのは、回想でしっかりと描かれます。

描かれるんですが、そこまで固執するまでのことでもなく、「なんでこの子なんだろう」というのが、逆にリアルでもあります。

神格化してしまうほどの特別存在という点では、些細なきっかけのみが、始まりであり、国籍や容姿には実際にこだわりがないところが味噌です。

それは、YOUがセリフでも語っていますが、この借金取りの登場から、更に物語が加速します。

世間的には、借金取りのイメージと言うと「非道」というような印象ですが、当然この借金取りも「あるある的な借金取り」です。

なのですが、この3人と比較すると、借金取りですら、まともな感覚の持ち主とも言えるような印象です。

そのギャップ感も、この作品の魅力でもあり、この破綻しているようなメリハリが素晴らしいです。

池松壮亮の演技も、輪をかけて破綻しており、女性用下着の着用や、髪の毛を真顔で食べる等、キャラクター的には完全にぶっ飛んでいます。

そんな結末がどうなるかについても、きちんとした着地方法でもあり、序盤から終盤まで一貫してぶっ飛んでいることを丁寧に描いている点では、さすがです。

エンタメ性のある映画ではありませんが、こういう破綻した映画は個人的には好みです。

予告編

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