作品紹介
【監督】アリ・アスター
【出演】ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル/エマ・ストーン/オースティン・バトラー/ルーク・グライムス/ディードル・オコンネル/マイケル・ウォード/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 ジョーは町の保安官。コロナ禍でロックダウン中ということもあり、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町で起こった事件が徐々にアメリカ全土を巻き込んでいく。
アリ・アスター監督は、学生時代に映画に感銘を受け、ホラー作品を作ることを目指し、2011年『TDF Really Works』で監督デビューをしています。2018年『ヘレディタリー/継承』で初の長編映画監督として作品を発表し、2019年「ミッドサマー」で監督2作目として、高い評価を得ています。
ホアキン・フェニックスは、子役として活躍をし、昔はリーフ・フェニックスの芸名でしたが、15歳ごろから現在の本名に改名し、以降「グラディエーター」「ザ・マスター」に出演しています。リヴァー・フェニックスは実の兄ですが、1993年、ホアキンが19歳の時にオーバードーズで他界しています。
本作は、「ミッドサマー ディレクターズカット版」を含めると、アリ・アスター監督の5作品目となり、今までは監督と脚本を手掛けていましたが、本作では、編集も手掛けています。
物語は、小さな町の保安官がコロナ禍でのロックダウンで住民の不安が募るなか、街のトラブルを解決使用と市長選に立候補したことで、小さな町からアメリカ全土を巻き込む問題に発展していくストーリーです。
序盤から、裸足で道路を歩きながら、文句を言っている男性が描かれ、時代が2020年として説明されます。
2020年の時代としてコロナ禍ということもあり、マスクをすることを強要するようないざこざが起こり、主人公はさほどコロナウィルスについてはあまり危険視されていないような雰囲気があります。
コロナ禍では、マスクやソーシャルディスタンスなど、当時では当然だったようなコロナウィルス対策により不便を強いられている状況があり、その状況に強制的に習わないと疎外されてしまう雰囲気があります。
主人公ジョーは、そのコロナ対策を受け入れないスタンスを取っていたことで、そこからの主人公の行動が物語の中心となってきます。
主人公視点の物語ではあり、コロナ禍で色々な規則が起こったことで、そのことに反発して、保安官として市長に立候補しようとします。本作の面白さは、コロナ禍という特殊な状況下で生まれたルールや価値観の対立を、シリアス一辺倒ではなく、どこかブラックコメディのような雰囲気を交えながら描いているところです。
本作は、主人公が異様な原因で市長立候補を始めたことで、トラブルとなっていくところが面白いところで、この不可思議なルールや環境を面白くコメディ感を匂わせつつ、ストーリーを作り上げています。
「距離が近いよ」
コロナ禍以外にも、ブラック・ライブズ・マターの活動も見え隠れしてくるところがあり、黒人に対する警察の暴力や、構造的な人種差別の撤廃を訴える国際的な抗議運動も描かれます。
全体としては、小さな町で起きた出来事から、社会全体の分断や価値観の衝突を描いており。アリ・アスター監督らしい不穏さや皮肉も感じられますが、ホラー色は控えめで、社会風刺やブラックコメディの要素が強い印象です。
テーマが多岐にわたることもあり、やや散漫に感じる部分もありますが、コロナ禍を経験した人であれば、当時の空気感や人々の不安を思い出させる作品として興味深く観られると思います。
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