【日本映画】「兄を持ち運べるサイズに(2025)」★★★★☆

作品紹介

【監督】中野量太
【出演】柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大/

【あらすじ】主人公 理子は、何年も会っていない兄が死んだという連絡を受ける。兄の生前の片付けをしているときに、家族写真を見つける。
【個人的評価】★★★★☆

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中野量太監督ファンにはもう一味欲しかった気も

中野量太監督は、映画製作を学び、テレビや映画の助監督を経て、2006年『ロケットパンチを君に!』で注目されます。2012年『チチを撮りに』で長編映画監督デビューをし、2016年『湯を沸かすほどの熱い愛』で商業映画デビューをしています。その後、「長いお別れ」や「浅田家!」など良作を制作しています。

柴咲コウは、14歳のときにスカウトされるもすぐには芸能界入をせず、16歳で芸能活動を始めます。芸名は、かわかみじゅんこの漫画 『GOLDEN DELICIOUS APPLE SHERBET』の登場人物「柴崎 紅」に由来しています。2000年「東京ゴミ女」で映画デビューをし、同年「バトル・ロワイアル」で注目されます。2001年「GO」の好演もあり、その後、テレビや映画で活躍をしています。歌手や実業家としての側面もあり、多彩な才能で活躍しています。

オダギリジョーは、2000年『仮面ライダークウガ』のオーディションで選ばれ、テレビデビューをしています。その後、2003年「アカルイミライ」で映画主演を果たし、カンヌ映画祭にも出品されています。『血と骨』『オペレッタ狸御殿』『メゾン・ド・ヒミコ』など多数の作品に出演し、評価されています。

物語は、長い間絶縁状態となっていた兄の訃報を聞き、主人公の妹が、兄の生前の片付けをしていると、兄の知らなかった部分が見えてくるストーリーです。

序盤から、滋賀にある理子の自宅に電話がかかってきて、兄の死亡を伝えられます。兄は離婚をしているということで、独り身のために遺体を引き取りに行くことになります。

「だって、もう死んじゃったんだもん、いまさら急いだって、何にも変わらないでしょ」

もともと兄妹の仲がよくなかったのですが、親類がいないということもあり、妹が身元引受け人となりますが、兄と妹の関係はしっかりと説明されていきます。

兄は、傍目からはあまり粗行が良いというところはなく、末期がんの母親を一人残して、東北に転居してしまい、葬式当日に久しぶりに現れ、良いような口ぶりをします。

兄はオダギリジョーが演じており、なかなかなフーテンのような印象のキャラクターとしてはぴったりなところがあります。

「そのお着物は火葬で燃えてしまうのでは?」

遺体の引き取りに際し、火葬をするための準備で色々とお金がかかるのですが、仕方なしに支払い等もしていきます。

中野量太監督の作品に「チチに会いに」という作品がありますが、同様に、亡くなった人のことを追走して事実を見ていくという流れてなる作品かと思います。

兄の住んでいた自宅には要所要素に家族に関係する写真や本があり、兄にとっては親族は大事なものだったんじゃないかということがわかります。

遺影がない中での火葬の際に、遺影を用意するところは、地味に良いです。何を語るというわけではないのですが、中野量太監督が描く葬儀というところについては、なにか他の人にはない視点で、毎回グッと来る演出があります。

主人公の理子は、物書きをしていますが、兄の履歴書を見たときに、兄の文章と取得した資格の数々より、兄の苦労を想像していくことになります。

「遺品をすべて投げ捨てれば、私が抱えた兄へのわだかまりも全て、消えてなくなる・・・・・はずだ」

兄の残したものを処分していくことで兄への想いが徐々に笑いに変わってくるところもあり、違う面から見た兄の姿を知っていくことになります。

「はじめから騙そうしてついた嘘にはなかったような気がして・・・」

結果的に嘘つきのレッテルがあり、結果が兄の印象を決定してしまっているところがありますが、その事実も、亡くなってしまっている以上は真実はわからないのですが、徐々に兄のやっていたことが見えてくる展開ではあります。

「最初はキリン?」

「ちがうよ、海の上の。」

最後まで一緒に住んでいた息子とともに、兄のやっていたことを振り返っていくことで、兄の生活や心優しいところが徐々に見えてきます。

図書館での息子の足に注目です。

あとは観てもらえればよいのかと思いますが、中野量太監督の過去作品と比較すると、劣ることはないものの超越するところもないので、中野量太監督ファンにはもう一味欲しかった気もします。

とはいえ、非常に良い作品でもあるので、なんの予備知識なく観てもらうのが良いです。

「家族にうそつかないで・・・」

予告編

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