作品紹介
【監督】堤幸彦
【出演】柳楽優弥/黒島結菜/中川大志/丸山礼/立川志らく/福士誠治/今野浩喜/平岡祐太/藤間爽子/佐藤二朗/市村正親/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 夏目アラタは、児童相談所の職員。「品川ピエロ」の異名を持つ死刑囚 品川真珠は、過去に起こした事件の遺体の首を探すことを被害者の子供に頼まれ、品川真珠に会う。

狂気を演じる方法の浅いところにイマイチ乗り切れないところがあり
堤幸彦監督は、TVドラマと劇場映画の両方を独特な世界観で制作することで知られており、軽快な演出とこだわりの映像でファンも多いと思われる監督です。TVドラマで活躍していた監督で、「池袋ウェストゲートパーク」「トリック」で有名です。映画監督としても「20世紀少年」「金田一少年の事件簿」など、謎解きモノの作品を独特の映像で制作しています。
柳楽優弥は、2004年『誰も知らない』のオーディションで抜擢され、主役として第57回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞しています。2008年に体調を崩し休業をしますが、2010年より、俳優業に復帰をし、2014年『アオイホノオ』では、テレビドラマ初主演を演じています。「ディストラクション・ベイビーズ」「浅草キッド」など、強烈な印象を残す俳優です。
黒島結菜は、2011年コンテストで特別賞を受賞し、芸能界入をしています。2013年、沖縄復帰40周年記念作品『ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~』で映画に初出演し、2014年『アオイホノオ』でテレビドラマにも出演しています。2015年『花燃ゆ』で大河ドラマにも出演をし、さらに、2019年『いだてん~東京オリムピック噺~』、2022年NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』にも出演をしています。CMやTVドラマ等多数出演している女優です。
物語は、児童相談所の職員の主人公が、連続バラバラ殺人事件の被害者の子供から、遺体を探してほしいと頼まれ、死刑囚の女性に会う。情報を引き出すために、死刑囚と獄中結婚をし、毎日20分間の面会で話を引き出していくストーリーです。
序盤から、とある連続バラバラ殺人事件が描かれ、その事件の犯人として品川真珠が容疑者として捕まり、本作の物語の中心にある事件とその背景賀描かれます。
本作はこの事件の真相と品川ピエロと呼ばれる容疑者のサイコパスなところと、それに翻弄されつつも真実に辿り着いていく主人公のストーリーです。
主人公 夏目アラタの視点で物語が描かれ、品川ピエロの起こした事件の真相を追求していく展開が主な流れです。
品川ピエロの心理を読み取りつつも、翻弄されていくのですが、品川ピエロを演じる黒島結菜は、まあ頑張ってサイコパスを演じていますが、やはり過剰な演技がサイコパスに結びついているのかという演技なので、物足りない点はあります。
「羊たちの沈黙(1992年)」でレクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスは、猟奇殺人者としての異常性と怖さを演じるために、まばたきをほとんどしないことで恐怖感を表しています。その他にも、立ち振舞や目線、物腰などで狂気を演じており、決して過剰ではない演技で異常性を示しています。
「その先に、何があるというんだ」
中盤で、アラタはとあることをするのですが、法的根拠のない状況での行動でもあるので、実際にはなんの問題もない行動でもあります。
とはいえ、真実が正確にわかっていない可能性もあり、結局、品川ピエロの言動と真相がどうなったのかは観てもらうのが一番良いです。
本作のポイントは、品川ピエロにあったような気がしますが、狂気を演じる方法の浅いところにイマイチ乗り切れないところがあり、作品自体もかなり薄い感じもします。
あくまで、主人公はアラタとなりますが、感情移入をしても、いまいち理解しがたいところがあり、チグハグ感だけが残るような作品にも思えます。
予告編
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