【日本映画】「はざまに生きる、春(2023)」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】宮沢氷魚//鈴木浩文/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 小向春は、出版社に勤める雑誌編集者。ある日、雑誌の編集特集として「青い絵しか描かない」ことで有名な画家 屋内透の特集を企画する。発達障害を持つ彼を取材していくうちに、徐々に彼に惹かれていく。

はざまに生きる、春

はざまに生きる、春

宮沢氷魚, 小西桜子
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人との気持ちのつながりは複雑なところはありますが、非常にピュアなところがあり

葛里華監督は、大学卒業後に、漫画編集者としてして仕事をしながら、自主映画を制作しています。2023年『はざまに生きる、春』で初の長編映画監督としてデビューしています。

宮沢氷魚は、父親にTHE BOOMのボーカル・宮沢和史を持ち、アメリカ生まれの東京育ちとなります。2015年に「MENS NON-NO」の専属モデルとしてデビューをし、その後、テレビドラマ『コウノドリ』で俳優デビューをし、舞台にも出演。2020年「his」では初主演をしています。

小西桜子は、監督『ヒミズ』を観て以来、役者に興味を持ちながらも、芸能事務所やオーディションには受からず、インスタグラムを通じてマネジメントをしてくれる人と出会い、その後、「ファンシー」で商業映画初主演となっています。芸能事務所には所属していない理由として「仕事をする上での大切にしたい軸を優先する選択をしてきた」と発言しています。

物語は、雑誌編集者の主人公が、雑誌の特集として取材をした発達障害を抱える画家と出会い、その純粋さに惹かれていくストーリーです。

序盤からイメージ映像的な感じで物語が始まり、透がアパートの壁面に絵を書いているが描かれます。喋っていることがどこか普通なセンスではない「透」ですが、発達障がいを持っているということがわかります。

そこから半年前の話に遡り、「透」と「春」が出会うわけですが、「透」は、発達障害ながらも画家として才能を開花しているところになります。

透自体はいわゆる、アスペルガー症候群であり、春は新しい取材の対象が透となるために、そのことを調べ始めます。取材対象ということでおありますが、透自体も春に好意を持っているのではないかとというところでもあります。

「だから、これは、今日だけの夜空なんです。」

月食をみるということにも、次の月食はいつであるということと、毎回起こる月食に同じものではないということでもあります。透自体は、忖度や建前という気持ちの前に本音で考えているので、社交辞令とかではなく、素直なことばというところでもあります。

屋内透を演じている宮沢氷魚自体も演技として、アスペルガー症候群の人を演じていますが、春自体にも人との距離感になにか違和感を持っているところもあり、透と春のそれぞれに人との距離感の持ち方や心配症的なところに共感を得ていきます。

そこから、半年後の時間に戻り、アパートの壁面に絵を描いているシーンに繋がります。アスペルガー症候群という点もありますが、勝手にアパートの壁面に絵を描いているということで苦情となりますが、春自体がそのサポートをするところで、収拾がつきます。

透自体はアスペルガー症候群ということですが、自分自身がそのことを理解しているところもあり、立場を理解した上で、人との距離を保っています。

ちなみにポートレートとしてデートのように訪れている場所は、神奈川県の八景島シーパラダイスになります。

春は、結婚をし、同居している彼氏がいますが、春自体にも、透の存在がかけがえない相手であるところでもあることが徐々に生まれてきます。

屋内透という人を取材したときのカメラマンの行動は、素晴らしいです。カメラマンのプロだからできるんだろうなぁと思うのです。これは、春や透とは違い、人の心に入り込んでいくというところを描いているのかと思います。

「そう思っているのは、春さんだけじゃない?」

中盤で、屋内透と恋愛関係となっていくことに関して、春と透のお互いの視点からでは、印象が異なるのかもしれないところを指摘されますが、アスペルガー症候群ということで、気持ちが通じても、本当にそうなのかはわからないということでもあります。

アスペルガー症候群ということを忘れてしまって普通の人と思い込んでも、実はそうではないというところもあります。普通の恋愛とはならない結末は、なんとなく感じてしまいますが、本作のポイントは、その気持が行き届かないところのジレンマは感じます。

「私は、屋内さんの気持ちが知りたくて」

アスペルガー症候群の透なので、気持ちを察するということよりも、素直に気持ちを表現したいというところで、2人が噛み合わないところでもあります。

とても、ジレンマに思いますが、透と春の人付き合いの感性が異なるので、世界の見え方が違うところはとてももどかしく思います。

「屋内さんはやっぱり人は描かないんですか?」

人との関わり合いが難しいところもあり、透自身も努力はしているのですが、「お察しする」ということができないところで、気持ちのすれ違いは起こってしまいます。

「僕は、ここからここを維持するって、あのとき春さんと約束したから」

ここのシーンからは、グッときます。言わないと分からないことを察してもらうというのは難しいわけで、人の気持ちを先回りすることは難しいのだと思うのです。

「楽しい時間をありがとうございました。」

深い意味のあるこの言葉には、すべてを説明しなくても、春の思っていたことが込められています。ただし、透には伝わらないところもあり、このジレンマにはもどかしいところはあります。

「僕は、青が好きなんです。」

いや、自分のこともわかっていない透自身がどのように春のことを想っていくのかは、観てもらって結末を感じてもらうのが良いのかと思います。

人との気持ちのつながりは複雑なところはありますが、非常にピュアなところがあり、駆け引きとかではなく、気持ちを伝えるということをシンプルに考えながら観られる良作です。

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