【監督】瀬々敬久
【出演】阿部寛/北村匠海/杏/安田顕/大島優子/麿赤兒/麻生久美子/薬師丸ひろ子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】時代は、昭和37年の備後市。主人公 ヤスは、愛妻と共に生活をしており、子供にも恵まれます。その後、息子のアキラが成長をしていく中、不慮の事故で妻を亡くし、父と子の2人で生活をしていく。
人情物としてホロリとさせてくれるので、観やすい映画版はオススメ
瀬々敬久監督は、学生時代に自主映画制作を行い、ポルノ映画を制作をしながらも近年では話題作を制作するようになり、意欲的に映画制作を行なっている監督です。
阿部寛は、「集英社第3回ノンノボーイフレンド大賞」で優勝し、以降モデルとして活躍しています。1987年『はいからさんが通る』で映画デビューをし、人気となりますが、徐々に低迷し、2000年『TRICK』の人気により新境地を見出し、その後、コメディからシリアス物まで柔軟に役をこなす俳優となっています。
北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしており、2017年『君の膵臓をたべたい』で注目され、2020年『とんかつDJアゲ太郎』では、映画初単独主演をしています。非常に多くの作品で主演を演じており、役者としての活動も増やしてきています。
物語は、主人公家族が生活していく中で、息子が幼いときに妻を亡くしてしまい、そのことで、父と子の2人で生活をしながら、息子が成長していきながら、父親として何をしてやれるかを描いていくストーリーです。
序盤から、ヤスの日常が描かれ、力仕事で一家を養っていく姿が描かれます。
ある日、息子が生まれ、まだ幼い頃にちょっとしたことで、母親が死んでしまいます。
これに関してはアキラ自体がまだ良くわからなかったからこそに起こっていることでもあります。
阿部寛の不器用感のある父親像は、妙にハマり役です。
中盤で、歌を歌うシーンがありますが、もうこれは「素の演技」なんじゃないかと思います。
阿部寛演じるヤスは、愚直な感じもあり、不器用な感じが非常に似合うところもあり、ハマリ役のようにも感じます。というか、ハマり過ぎています。
あれ?と思ったら、息子のアキラは、北村匠海が演じています。髪型が髪型だけに一瞬わからないところがあります。
安田顕のキャラクターはなかなか抑えどころがありますが、阿部寛の大きな体格に劣らない存在感もあり、とても良い役どころです。
アキラの結婚についても、サラッと流れを導いているところが良いです。
その後のシーンで、杏と大島優子が並んで歩いていますが、身長差にはなかなかビックリします。というか、大島優子が小さいのかもしれません。いや、公称ですが、杏は身長174センチあります。
「ねえ、じいちゃんってさ、幸せな人生だったのかなぁ」
一家のときの流れを描いた作品でもあり、息子のアキラの成長記とも言えます。
人情的な物語でもあり、ご都合主義的な感じもしそうではありますが、妙に自然な感じがあり、違和感なくスルッと鑑賞できます。
139分という時間で、朝の連続ドラマを観るような錯覚もあり、NHK朝の連続テレビ小説が好きな人にはサクッとハマれます。
テレビドラマ版や小説版など、様々な作品化をされてきていますが、人情物としてホロリとさせてくれるので、観やすい映画版はオススメです。特に阿部寛が良いです。