【日本映画】「きまじめ楽隊のぼんやり戦争〔2021〕」★★★☆☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】池田暁
【出演】/今野浩喜//清水尚弥/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 露木は、どの時代でもない、架空の街に住む兵隊。川をはさんで何十年も戦争している町で、
毎日、朝9時から夕方5時までが戦争の時間となっている世界。とある理由で、音楽隊に編入することになるが、そこで、川の向こう側からも音楽が聞こえることに気がつく。

万人におすすめする作品ではありませんが、こういう寓話的な作品に興味がある人にはおすすめ

池田暁監督は、2007年『青い猿』で初の長編映画を手掛け、第29回ぴあフィルムフェスティバルにて観客賞を受賞しています。その後、2013『山守クリップ工場の辺り』でも話題となり、2017年『うろんなところ』でも、第30回東京国際映画祭、第47回ロッテルダム国際映画祭、第20回台北映画祭、第35回エルサレム映画祭などで上映され、注目されている映画監督です。

前原滉は、テレビドラマで活躍をし、2015年「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」で映画デビューをしています。その後、映画やテレビ、舞台と幅広い活躍をしている俳優です。

第21回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞しています。

物語は、川を挟んだ町同士が、原因のわからない戦争を何十年も続けており、そこで、主人公の兵隊が音楽隊に編入したことでさまざまなことが起こるストーリーです。

序盤から、音楽隊とその町の雰囲気が描かれ、昭和感のある町であることがわかります。

古めかしさと合わせて、定時に始まり、提示に終わる戦争という不条理なところもあり、シニカルな要素を込めて作られているのかと思います。

主人公以外の多くのキャラクターものがたりが入り混じっており、この世界観を見事に構築しています。

「余計なことは言わず、簡潔に答えて。」

この鉛筆を投げるシーンは好きです。

殺伐としている感がありますが、当事者ではない状況でみると面白いです。

「口が利けない人は、いいえと言えませんから」

このやり取りは結構長い感じがしますが、これはもうコントです。

延々と、棒読み演技と、棒のような歩みや動きが独特で、映画というよりも、舞台を見ているような感じがします。

音楽隊という要素が重要ではなく、その周辺を取り巻く世界観が本作のポイントかとも思います。

当然、終盤の演奏にはちょっと心動かされるところがありますが、とはいっても、漠然としたナニカに対して、なんとも言い表しくいナニカに気持ちを持っていかれる感じがします。

終盤の大砲演習はさすがに、「なんの弾を撃ったんだ?」と思ってしまうところがあります。

全体的にシュールな作品であり、俳優の演技すらもコントロールしてしまっている作品ではありますが、むしろこの感覚は、アキ・カウリスマキの作品にも見られるような要素ではあり、やっと日本にも、このような演出が受け入れられるのかなぁと思ったりします。

好みが大幅に分かれそうな作品なので、万人におすすめする作品ではありませんが、こういう寓話的な作品に興味がある人にはおすすめできます。

予告編

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