作品紹介
【監督】池田千尋
【出演】上白石萌音/山崎紘菜/渡辺真起子/宮川一朗太/神保悟志/山本耕史/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】大学生でありながら、ITと医療で企業を目指す 小松光と大企業に勤め、起業を目指す人に投資を仕事としているOL 南堀希の2人の物語。自由人の光と安定志向の希が起業をするにより、お互いにサポートしながらも成長していく。
サブスクで観る
映画は創作物でもあり、強調や過剰なところがあるので、その点を踏まえて観てもらえれば素直に楽しめる作品
池田千尋監督は、東京藝術大学大学院映像研究科監督領域の一期生であり、2008年『東南角部屋二階の女』で長編映画監督としてデビューしています。
上白石萌音は、小学校のころより鹿児島市のミュージカルスクールに通いはじめ、第7回『東宝「シンデレラ」オーディション』で審査員特別賞を受賞して、芸能界入をします。なお、このときのグランプリは妹の上白石萌歌が受賞しています。2011年NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』でドラマデビューをし、2014年『舞妓はレディ』で映画初主演をしています。その後、テレビや映画の女優業をこなしつつ、歌手としても活躍しています。
山崎紘菜は、上白石萌音と同様に、第7回東宝「シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、2012年「僕等がいた」で映画初出演しています。その後、映画やドラマに出演をしており、2018年「モンスターハンター」でハリウッドデビューをしています。キャスターとしても活躍しており、マルチな才能を発揮しています。
物語は、まったく正反対の性格や考え方の2人が、新しいアイデアを形にして起業をしようとしていく過程を描いたストーリーです。
本編がはじまってすぐに、天地が逆になっているところで、見えている世界がちょっと違うというところも示しています。
序盤は、光の非常識感がありますが、こういうアイデア勝負なところと、我が道を行くかんじなところは、わかりやすいほどにキャラクターがしっくりきます。
反面、希はごく普通なところもありますが、この兼ね合いが良かったところがあります。
その間に水木が居ることで、そのクッションにもなっているところもあります。
スタートアップと言う言葉自体は、かなり前から呼ばれるようになってきており、社会人として世の中にでるよりも、在学中に起業してしまう人も珍しくなくなってきています。
この流れはすでに現実に起こっているわけですが、ものすごくわかりやすい手法と、デフォルメした形で描かれているような気がします。
多少観ている側としてはイライラする要素もあります。
才能や発想力があるという点で、奇抜な行動が許されるかどうかで言えば、そこに疑問符が浮かぶところはあります。
中盤でカラオケを歌うシーンがありますが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲は歌いにくいのだなぁというところはあります。
光と希の言動はやはり両極端でもあるところが、本作の魅力なところではあり、どちらも正しくもあり、どちらも、ちょっと弱いところもあります。
とはいえ、落とし所はそのイイトコドリなところともなり、予想できる展開でもあります。
最後に出てくるプレゼンと最初に行われるプレゼンがありますが、面白く見られ奇抜な点もありますが、これはこれで楽しめます。
実際にプレゼンテーションとしての手法としてはあまり上手な手法ではないので、参考にしてほしくはないところですが、これはこれで、映画として割り切って貰えればよいのかもしれません。
上白石萌音のキャラクターで維持できる内容でもありますが、物事の発想と、手腕という点で、コレを踏襲してもらえると非常に困るところはあります。
多少なりとも節度と常識の上で成り立っているのが社会でもありますので、これはこれと割り切ってもらいたいです。実際にはこのような手法では資金は集まらないです。
映画は創作物でもあり、強調や過剰なところがあるので、その点を踏まえて観てもらえれば素直に楽しめる作品でもあります。