【日本映画】「ここは退屈迎えに来て〔2018〕」を観ての感想・レビュー


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【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】27歳の「私」が主人公。東京で就職をして10年後に何となく地元に戻ってタウン誌のライターとして生活をしています。ある日、高校の同級生と会い、高校時代の話で盛り上がる。当時、周囲の憧れだった椎名くんに会いに行くことになる。


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閉塞感がついて回るので、なんとなくモヤモヤする映画

廣木隆一監督は、数々の映画監督のもとで、助監督として活動し、1982年 『性虐!女を暴く』で長編映画監督としてデビューしています。ピンク映画出身ではありますが、近年では少女漫画原作の恋愛映画を手掛けており、「胸キュン映画三巨匠」の一人に数えられています。

橋本愛は、3姉妹の次女として生まれ、一番顔が濃かったという理由で母親がオーディションに応募し、グランプリ受賞の末に芸能界デビューしています。2009年『Seventeen』のミス・セブンティーンに選ばれ、以降映画やドラマに活躍しています。主な作品に「告白」『桐島、部活やめるってよ』、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』などがあります。

門脇麦は、ニューヨーク生まれの東京育ちで、の作品を観て、役者を志しています。一癖ある映画に数多く出演しており、個性的な若手女優としては、個人的に非常にツボな役者です。

原作は、の同名連作小説集。

主人公は、「私(橋本愛)」と「あたし(門脇麦)」の2人ですが、基本的には群像劇と捉えるのが良いです。

どこか、「桐島、部活やめるってよ」のような描き方をしている雰囲気もあり、「椎名くん」がその中心人物となります。

「桐島、部活やめるってよ」では、桐島は出てこないという、中心人物不在の物語ですが、本作は、一応「椎名くん」は出てきます。

このあたりは、想像力を使わないところとなり、「椎名くん」の人物像が明確な分、ちょっと面白味にかけるところになります。

本作の群像劇っぽいながらも、主役2人が主役というところは、この「椎名くん」がきちんと描かれているところになります。

新保くん等、他のキャラクターも特徴のある描かれ方ですが、題名が示すとおり、本筋は「桐島、部活やめるってよ」の手法ではなく、「東京に憧れる田舎の人の物語」ではあります。

何度となく「東京ってこうだよね」というような会話が出てきて、憧れや夢を描くところがあり、「東京に行けばどうにかなる」という田舎の閉塞感を描いているのだと思われます。

ぽつんとあるホテル、早朝一人で歩き叫ぶ、寂れたゲームセンター、こういったところに閉塞感があり、なにかもどかしさを感じます。

閉塞感という一言が似合うところもあり、物語は一貫して先行き不透明なぼんやりとした毎日となんとなくの生活というところになります。

門脇麦の登場シーンは少ないのですが、少ないながらの強烈な印象を残します。さすがです。

高校時代を振り返る青春映画として理解はされやすい映画かとは思いますが、閉塞感がついて回るので、なんとなくモヤモヤする映画ではあります。決して駄作ではないのですが、魅力あふれる物語というところまでは行き着いていない気がします。

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