作品紹介
【監督】ショーン・ベイカー
【脚本】ショーン・ベイカー
【出演】マイキー・マディソン/マーク・エイデルシュテイン/ユーリー・ボリソフ/カレン・カラグリアン/ヴァチェ・トヴマシアン/アレクセイ・セレブリャコフ/ダリア・エカマソワ
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 アノーラは、ニューヨークでストリップダンサーとして働く女性。ロシア人富豪の息子イヴァンと出会い、勢いのまま結婚する。しかし、その結婚を認めない家族が現れたことで、彼女の人生は思いもよらない方向へ動き始める。
人間の生き方や尊厳について考えさせられる作品
ショーン・ベイカー監督は、2000年『フォー・レター・ワーズ』で監督デビューをし、2015年『タンジェリン』で高い評価を得ています。2017年『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』は、第70回カンヌ国際映画祭の監督週間にて上映され、絶賛されています。2024年『ANORA アノーラ』で、第77回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞し、第97回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞の5部門を受賞しています。
マイキー・マディソンは、子役として活動を始め、2017年「Liza, Liza, Skies Are Grey」で映画デビューをしています。その後、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『スクリーム』シリーズへの出演でも注目を集め、2024年「ANORA アノーラ」で第97回アカデミー賞主演女優賞を受賞する熱演を見せています。
物語は、ストリップダンサーとして働く主人公が、ロシア人の富豪の息子と出会い、勢いで結婚をするが、家族から認められず、2人の人生が変わっていくストーリーです。
序盤から、艶めかしい女性の姿が描かれ、アニーという女性が風俗で仕事をしているシーンが描かれます。
本作はアカデミー作品賞を受賞していますが、最初から刺激的なシーンで始まります。R18+指定なので鑑賞の際には注意が必要です。
ストリップダンサーのお客としてイヴァンという人と出会い、ロシア語がある程度わかるアニーはイヴァンと意気投合し、後日、彼の家に呼ばれて相手をすることになります。
イヴァンは21歳で、アニーは23歳となります。イヴァンの父親が大富豪ということで、イヴァンの自宅や生活が異常な程の道楽感があり、イヴァンはアニーを気に入り誘っていることで、アニーも玉の輿というところで、彼の言う事をしっかりと聞きます。
1週間の専属契約ということで、15000ドルでイヴァンの彼女として過ごすことになります。
一見すると身分違いの恋愛を描く現代版シンデレラストーリーのように始まりますが、物語が進むにつれて恋愛映画という枠を超え、お金や権力、人間の尊厳、そして自由とは何かを問い掛ける作品へと変化していきます。
ストリップダンサーという題材を単なる刺激的な設定として扱うのではなく、一人の女性が現実社会の中で必死に生き抜こうとする姿が描かれており、前半はラブコメディのようなテンポで進みますが、中盤以降はブラックコメディやロードムービーのような雰囲気も加わり、終盤は、メッセージ性のある人間ドラマとして深い余韻を残します。
登場人物の誰も完全な善人でも悪人でもないところもあり、それぞれの立場や事情により、現実味のある物語になっています。
R18+作品ということもあり性的描写や過激な表現は比較的多く、人によっては好みが分かれる部分もあり、一般的な恋愛映画のような爽快感やハッピーエンドを期待すると印象は少し異なるかもしれません。
全体としては、恋愛映画として楽しめるだけでなく、人間の生き方や尊厳について考えさせられる作品で、派手な展開だけでなく、ラストまでの展開を含め、アカデミー作品賞を受賞していることに納得はできます。
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