作品紹介
【監督】藤井道人
【出演】岡田准一/綾野剛/広末涼子/磯村勇斗/駿河太郎/山中崇/黒羽麻璃央/駒木根隆介/山田真歩/清水くるみ/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 工藤は、刑事として日々暮らしている男性。ある日、母の最期に立ち会えず、その際に、車で一人の男をはねてしまう。
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結局、工藤と矢崎の対決に集約していきますが、もうちょっとスマートな解決があっても良かったのかと
藤井道人監督は、映画演出を学び、複数の短編映画を監督した後、伊坂幸太郎原作「オー!ファーザー」で長編デビューしています。2019年「新聞記者」で、日本アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞し、高い評価のある監督です。2019年「新聞記者」で、日本アカデミー賞で作品賞を含む6部門を受賞し、高い評価のある監督です。
岡田准一は、母親が「ジャニーズ予備校」オーディションに応募し、合格したことで、V6のメンバーに選ばれています。その後は、2002年「木更津キャッツアイ」で主演を演じて人気となり、「SP 警視庁警備部警護課第四係」では、アクションのキレの良さで注目もされています。2007年に宮崎あおいと結婚をしています。
綾野剛は、「仮面ライダー555」で役者デビューをし、中野裕之監督の「全速力海岸」で主演にもなります。
物語は、母の最期に立ち会うために飛ばしていた車で、一人の男をはねてしまう。そのことで事件を隠そうとするが、県警本部の検察官にそのことが突き止められ、追われる身となっていくストーリーです。
序盤から、主人公の工藤が、12月29日の年末に雨の中で、車を運転しながら電話をして仲間と話している姿が描かれます。雨が非常に土砂降りでもあり、かなり大変な状況なのがわかります。
そこから、電話越しの母の死が告げられ、こんらんしているさなかに人を轢いてしまい、とある男を轢き殺してしまいます。
パトカーが近くを通り過ぎるところを、雨の中を死体を動かしてやり過ごしますが、死体の処分に困るところと、男の持っているケータイ電話に着信があることで、工藤はケータイと死体をトランクに入れ、隠滅をしようとし始めます。
雨の中、検問に捕まり、飲酒検査を受けますが、そこで工藤が刑事ということがわかります。飲酒運転をしていることで検問を逃れられないところではありますが、行動が不審なことで、工藤が刑事だとしても疑われてしまい、車内を調べられようとします。
間一髪トランクの中は調べられずに済むのですが、土砂降りの雨の中での一連のシークエンスは、それだけで本作の興味を非常にそそります。
工藤の危機を救ったのは、夜咲という警察の監察官ですが、運良く助けてもらえ事なきを得ますが、その後、母の死に目に会いに行き、そこで、死体の処分も考え始めます。
この序盤の流れだけで一気に本作を観ていけるのですが、主人公視点の展開で内容もわかりやすく、工藤がどうなっていくのかと、工藤自体のキャラクター性も一気にわかるので、非常に興味を惹きつつ観られます。
もともとは、2014年の韓国映画「最後まで行く」がオリジナルで、その後、中国やフランス、フィリピンでもリメイクされています。本作は、日本が行ったリメイク版となります。
中盤で、本作の黒幕に矢崎が関わっていることがわかり、そこからの展開は矢崎の物語も混じってきます。
結婚式の言葉を嫁から読んでもらったあとの矢崎の微妙に歪む顔は、綾野剛らしい絶妙な演技でもあります。
矢崎と工藤の対決という流れで、中盤以降が進んでいきますが、時間軸が多少過去の話に戻ったりとし、難解な印象も受けますが、藤井道人監督の演出が巧いので、とてもわかりやすく丁寧な感じでもあります。
矢崎の物語になってから、序盤の展開の描かれていなかったシーンが明らかになっていく手法で、時間軸も過去に一旦戻り、今までのも物語の裏側が見えてきます。
本作は、2014年の韓国英がのリメイクでもあり、終盤のガンアクションは、やはり韓国映画の雰囲気はあります。不自然というわけではないのですが、日本国内で考えれば、ここまでの仕掛けを作るのはちょっと大げさかなぁとも思います。
結局、工藤と矢崎の対決に集約していきますが、もうちょっとスマートな解決があっても良かったのかと思います。