作品紹介
【監督】オリヴィア・ワイルド
【出演】フローレンス・ピュー/ハリー・スタイルズ/オリヴィア・ワイルド/ジェンマ・チャン/キキ・レイン/ニック・クロール/クリス・パイン/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 アリスは、夫のジャックとともに幸せな生活を送っていた。ある日、隣人が赤い服の男たちに連れ去られるところを目撃し、以降、不可解な出来事が続発する。
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気を抜くとさっぱり理解できないような印象を残しますが、すべてを丁寧に語らないところに、この異様さがあり
オリヴィア・ワイルド監督は、演劇を学び、2004年『The O.C.』のテレビシリーズで注目されます。以降、女優やモデルとして活躍をし、2004年『ガール・ネクスト・ドア』で映画デビューもしています。2019年「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で映画監督としてもデビューしています。
フローレンス・ピューは、2014年『The Falling』で映画デビューをし、2016年『レディ・マクベス』で高い評価を得ます。2019年『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー助演女優賞にノミネートされています。
物語は、主人公夫婦が不自由なく暮らしている街で、隣人が赤い服の男たちに連れされられる事件を目撃して以来、街の中の異常な雰囲気に気が付き始め、トラブルになっていくストーリーです。
序盤から、ホームパーティをしているシーンから始まり、特に大きな問題もなくジャックとアリスが描かれます。
非常に平和そうに見えるアリス夫妻ですが、どこから作られたかのように見える街で不思議な事件が起こり、平和そうに見える街ながら、その異様さを徐々に感じていきます。
アリス視点で物語が進みますが、街の状況をアリスとともに感じていくので、感情移入しやすいところがあります。
中盤でダンスレッスンの際に鏡の向こうに違和感があり、そこで不思議なことが起こります。そのあと、マーガレットが屋根の上にいるのをアリスは発見し、そこでも不思議なことが起こります。
本作で、エンジンが掛かり始めるのはこのあたりからで、以降、不思議なことが起こっていく状態が続いていきます。
不思議な現象はなんとなく、ジョーダン・ピール監督作のような感じもしますが、近年のホラー・ミステリー系の王道感を感じます。
なにかおかしいと感じる中で、その状況を突き止めて脱却していこうともしますが、とにかく皆が何かを思っている感じの猜疑心が募り、不安を感じさせる展開はなかなかなところです。
ビクトリープロジェクトの存在をアリスがいろいろと嗅ぎ回りますが、見えそうで見えない全体像に、非常にモヤモヤしますが、その異様なところが本作の見事なところでもあります。
ジャックとアリスが口論になる展開ですが、幸せであるということの定義がちょっとわかりにくくなってきます。それは、一般論的に幸せの定義は各個人で異なるわけで、お互いが一致するわけがないとは思います。
BGMが不協和音のように流れるので、この世界が異常な感じがわかります。
終盤は、意外とあっさりとしていますが、本作のすべてが語られるわけではなく、絶妙なバランスで謎なところをサラッと描いていきます。
気を抜くとさっぱり理解できないような印象を残しますが、すべてを丁寧に語らないところに、この異様さがあり、その部分を楽しむ作品でもあります。
予告編
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