作品紹介
【監督】イーサン・コーエン
【出演】マーガレット・クアリー/ジェラルディン・ヴィスワナサン/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】ジェイミーとマリアンは、日々の生活に行き詰まりを感じアメリカ縦断の旅行に出る。そこで、謎のスーツケースをみつけたことでギャングから追われてしまう。
サブスクで観る
コーエン監督の悪ノリが出てしまっている作品ではあります
イーサン・コーエン監督は、1984年『ブラッド・シンプル』を兄のジョエル・コーエンとともに生活し、その後、コーエン兄弟として、『赤ちゃん泥棒』『バートン・フィンク』『ファーゴ』『バーバー』『ノーカントリー』と多数の作品を制作してきています。2021年「マクベス」以降、ジョエルとイーサンはそれぞれ単独で監督をするようになり、今後の制作が気になるところです。
マーガレット・クアリーは、バレエを学んだあと、14歳からモデルとしても活躍し、2013年「パロアルト・ストーリー」で映画デビューをしています。2017年 Netflixオリジナル映画「Death Note/デスノート」にも出演しており、着実にキャリアを重ねている女優です。
イーサン・コーエン監督の初単独監督作となり、コーエン兄弟の名義ではありません。兄のジョエル・コーエンも、「マクベス」で単独監督をしており、コーエン兄弟での制作は、2018年「バスターのバラード」以降は行われていません。
物語は、主人公の2人が、アメリカ縦断の旅行に出かけ、そこで謎のトランクを発見する。そのトランクの中身をめぐり、ギャングや警察に追われていくストーリーです。
序盤から、とある店で大事そうに荷物を抱える男性が描かれます。舞台は、1999年となっており、この謎のスーツケースが本作のキーとなるところです。
サスペンス調な流れで物語が始まりますが、コーエン監督の作風的に、コミック感のある演出は毎度ながら観やすいところはあります。
主人公となるのは、奥手のマリアンと好奇心旺盛のジェイミーになりますが、性格が正反対に近いところは、キャラクターの印象付けにはわかりやすいです。
ドライブアウェイというのは「車の配送」のことを指し、ドライブ旅行を2人がしている中、冒頭のトランクをめぐりトラブルとなっていく展開です。
主人公2人が中心となり、いろいろなキャラクターが出てくるところは、コーエン監督らしいところで、物語がわかりにくいというところはありません。
問題は、主人公2人がレズビアンという設定もありますが、全体的には下品です。
コーエン監督の作品では、ダメ人間を描いた作品も多く、人間臭いというか、「色んな人がいるよね」的なアプローチから物語が広がっていくところが多く、本作でもその流れはあります。
本作は、PG12の指定ではありますが、実際にはもうちょっとレイティングを上げても良いのかと思います。
コーエン兄弟の作品ではたまに悪意のあるコメディが盛り込まれていることがありますが、本作も、コメディとして割り切らないと理解してもらいづらいところもあり、何度も出てくる道具には本来モザイクがあっても良いのかもしれません。
広く万人にオススメできる作品ではなく、コーエン監督の悪ノリが出てしまっている作品ではあります。
予告編
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