【日本映画】「ある惑星の散文〔2022〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/中川ゆかり//伊佐千明/(声)/
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ルイは脚本家を目指す女性。映画監督の厚という恋人がおり、海外に行っている彼とインターネットを通じて会話をし、新しい生活に心踊らせています。もうひとり、芽衣子という女性は舞台俳優の仕事を離れ、カフェで仕事をしている中、兄のマコトと出会う。

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ルイが脚本家だからこそ、このシーンがわかるというところ

深田隆之監督は、2013年『one morning』で短編映画作品を手掛け、評価されています。その後、2018年「ある惑星の散文」では、長編映画監督デビューをしており。評価をされています。監督『偶然と想像』では助監督を務めており、今後に期待する監督です。

物語は、人生の岐路となる2人の女性の環境を描いた作品です。

序盤から詩のような朗読と横浜のベイブリッジを映したシーンから物語が始まります。

ルイの自宅から海外の厚とネットで会話をしますが、脚本家を目指しているルイにとっては、ちょっとモヤモヤするところはあります。

「あたしが聞かなかったら、厚は私に話しするの?」

結構確信をついた言葉ですが、相手の気持ちがない、ということを感じるような演出になっています。日本にいるルイの視点で描かれるので、そう見えてしまうのもよくわかります。

「厚のものはここにはないよ」

「おにいちゃん、今日それ言いに来たの?」

本作は、横浜地域でも独特な場所でもある本牧地域で撮影されており、かつてアメリカ軍の接収地だったという点で「陸の孤島」とも言われる場所での撮影となっています。

中盤以降で、閉館した映画館に入っていきますが、撮影した場所は、横浜にある「パフォーマ70 HONMOKU」という場所となり、現在は閉館しているところで施設的にもなんとなくもったいない気もします。

最後にオープニングと対比するかのようなシーンとなりますが、このときのセリフと情景は、序盤で見た印象とはまったく異なるところとなり、ルイが脚本家だからこそ、このシーンがわかるというところになります。

抽象的な表現が多いのですが、題名が「ある惑星の散文」というところがそれを表しており、とっつきにくいところはありますが、散文詩というところをうまく表していると思います。

重複するようで全く異なるシーンの映像の使い方も良かったところに思います。

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