【洋画】「インセプション〔2010〕」を観ての感想・レビュー

【監督】
【出演】/ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
【個人的評価】

【あらすじ】主人公コブとアーサーは、他人の無意識に侵入する技術を使って、他人の脳内から重要情報を盗み出すスパイである。今回の標的の日本人実業家サイトウは、他人に考えを植え付けるインセプションをこなせるかを試す。競合企業のモーリスのエネルギー複合企業を壊滅させるため、モーリスの息子のロバートの意識に侵入する。

自分なりの回答を考える楽しみのある映画

奇想天外の発想である脳内の侵入という設定の時点でかなり作品としては面白い。

映像技術も奇抜で天地がひっくり返るような演出や、重力を自在に変えるようなトリックなど、とにかく発想が柔軟でとても面白い。

反面、設定が面白いだけに複雑化していく中盤以降がついていけるかにもよる。

特に夢の中の夢という発想が複雑化する要因で、最大4階層まで潜ると言う展開はかなり頭を使います。

カーチェイス、ホテル、雪山、虚無。この階層構造が同時に進行するので、序盤のチュートリアル(?)を理解していないと、おいてかされてしまいます。

特に深く潜って行くと時間の流れが遅くなるというのも秀逸で、まさしく設定の勝利ではあります。

ただし、個人的楽しくなかったのは。時間が遅くなる上層部は展開の先読みができるので、橋から車が落下する後を想像するのはたやすいことです。

ハラハラ感はありますが、多少ダルい印象もありました。

複雑な階層の中でも、面白いのはホテルのシーン。これはCGを使わずにホテルの廊下自体を回転させるセットで撮影しているので、細かい重力感に違和感はありません。それが映像的に優れたシーンを生み出しています。

クリストファー・ノーラン監督自体、実写にこだわる監督で、可能な限りCGを使わないことで有名です。CGでは描けないリアリティが、このこだわりから生み出されているわけです。

また、ホテルの廊下で闘うだけのシーンですが、この重力の操作ということだけで、これほどまでに未体験の映像が観られることも素晴らしいです。

最後に一番語られるシーンは最後のコマの回転についてだと思われます。コマが回転し続けることは、夢の世界にいて、回転が終わってしまうのは現実世界であるという設定が最後に生かされてきます。

結局、ラストシーンはどちらになるのかは観ている人の判断に委ねられ、様々なレビューでも、このシーンが論じられています。

個人的にはどちらをとっても良いのではと思い、このような要素があるからこそ、映画の内容に締まりが出るのかと思います。

モヤモヤ感があるのは当然ですが、まさしく観る人によって感想が多様になるのが映画の魅力だと思います。自分なりの回答を考える楽しみのある映画としてのオススメです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です