【監督】ナタウット・プーンピリヤ
【出演】チュティモン・ジョンジャルーンスックジン/チャーノン・サンティナトーンクン/ティーラドン・スパパンピンヨー
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 リンは、優秀な成績の女子高生です。進学校に特待奨学生として転入をします。友人のグレースを試験の際に回答を教える手助けをしたことで、グレースの彼氏パットから回答を教える代わりに代金を支払うビジネスを行う。多くの試験を攻略するなか、グレースとパットの進学のため、世界各国で開催の大学統一入試「STIC」を挑むことになる。
地域風土にとらわれないエンタテイメント(実話ベースだけど)としては、良作
・ナタウット・プーンピリヤ監督は、タイの映画監督で、2012年に「Countdown」で長編映画監督デビューをしています。
・本作は長編2作目となりますが、様々な映画賞で評価され、次回作が期待されています。
・チュティモン・ジョンジャルーンスックジンは、15歳からモデルの仕事をしており、ミュージックビデオにも出演しています。2017年「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」で長編映画初主演となり、多くの映画賞で評価されています。
・物語は、中国で実際に起こったカンニング事件をモチーフに製作されたタイ映画となります。
・いろいろとツッコミどころはありますが、基本的には「あるあるカンニング映画」
・ですが、計画を立てる側は、頭脳明晰なリンが立案するところもあり、綿密なトリックが出てきます。
・ルックス的にはあまりパッとしない「リン」ではありますが、徐々になんだか美しくなってくるような印象がありますが、多分錯覚な気がします。
・さて、そのカンニング手法ですが、もともとは問題を解ける頭脳があるので、その後は、「どうやって伝えるか」というのが、今までのカンニング映画と異なるところです。
・序盤はまずは、姑息な手法のままですが、徐々に伝達の方法が高度になります。
・ピアノの伝達方法はなかなかおもしろく、後半に通じる伏線にもなっており、よくできています。
・中盤からは、更に大きく問題が広がりますが、もともと実話をベースにしているところもあり、ある程度の脚色はされています。
・終盤以降の展開は、むしろ映画としての見せ方に始終しており、「タイ映画ヤルなぁ」と思わせるところがあります。
・もちろん、本作にはカンニングに始終することでなく、「不正は不正として、正しいことを理解する」というメッセージはありますし、当然葛藤するところが用意されています。
・海外で多数の作品が作られていますが、地域風土にとらわれないエンタテイメント(実話ベースだけど)としては、良作だと思います。