【監督】カビール・カーン
【出演】サルマーン・カーン/ハルシャーリー・マルホートラ/カリーナ・カプール/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】幼いころから、声が出せないパキスタンから来た少女 シャヒーダーが、インド人青年 パワンと自宅まで帰る2人旅の物語。
色々な視点で構成された映画ではありますが、実際には物語はとてもシンプルであり、まずは予備知識なく観てもらっていただきたい映画
・カビール・カーン監督は、ドキュメンタリー映画を制作し、「カブール・エキスプレス」で長編映画デビューをしています。
・本作は、インド国内で歴代第3位の興行収入を記録しています。
・サルマーン・カーンは、本作でプロデューサーもつとめ、多才な才能を持つ俳優です。
・物語は、シンプルなロードムービーに見えつつも、民族と宗教環を背景にした物語となっています。
・主人公 バジュランギの一途なところと、信念を曲げないところには、当初、融通の効かない頑固者に見えますが、そのさらに先には壮大なる優しさが込められているところが分かります。
・シャヒーダーの愛くるしさもあり、観ているうちに、バジュランギの行動にも感情移入でき、わかりやすい展開となっています。
・このわかりやすさが映画の魅力で、難解な映画ではなく、さらっと観ていられる展開ですが、序盤の旅に出るまでがちょっと退屈なところもあります。
・それはインド映画特有のミュージカル要素が強いところもあり、正直ワンコーラスが長い印象があります。
・そういう要素は中盤以降も出てきますが、ミュージカルと言うよりもBGMとして、抑え気味になってきます。
・反面、地域の雄大なる自然を美しい映像で捉えており、風景を観ていることで自然と癒される要素があります。
・終盤急展開をし始めますが、やはりバジュランギの信念の強さを振り返ることもでき、この旅の目的がしっかりと浮き彫られます。
・この浮き彫らせ方があるために、国境でのラストシーンは、こみげてくるものがあり、誰しもがこみ上げてくる何かを感じ取ることができます。
・パキスタンとインドの国家間の関係は知っておくとさらにこの映画の深さを感じ取ることができ、インド国内で歴代3位の興行収入となったところにも充分納得ができます。
・世界情勢を知らずとも、中東以外の国でも対立があり、島国である日本では理解の難しいところではありますが、こういった地域は世界各地にあるという知見として参考になるところも多くあります。
・色々な視点で構成された映画ではありますが、実際には物語はとてもシンプルであり、まずは予備知識なく観てもらっていただきたい映画ではあります。