【洋画】「バック・トゥ・ザ・フューチャー〔1985〕」★★★★★【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公は、高校生のマーティ・マクフライ。学校では、バンドをし、学校もそこそこに悪さをする感じで、彼女もいるというごく普通の高校生。友人にドクという科学者はおり、ある夜、ドクに呼ばれて駐車場で自動車型のタイムマシンの実験に立ち会うことになる。

観ないと損をするというのはこういう映画なのかもしれません

ロバート・ゼメキス監督は、高校時代から8mmビデオを撮り始め、1978年『抱きしめたい』で監督デビューをしています。その後、本作を監督し、一躍メジャー監督として評価を得ます。

1994年「フォレスト・ガンプ 一期一会」でアカデミー作品賞と監督賞を受賞しています。

マイケル・J・フォックスは、15歳から、カナダのテレビに出演するようになり、TVドラマ「ファミリー・タイズ」で人気を得ます。その後、多数の作品に出演しますが、30歳のときにパーキンソン病を発病し、俳優業から遠ざかっています。

マイケル・J・フォックスの、「J」は、同名の俳優がいた事から、尊敬するマイケル・J・ボラードより「J」を入れるようになりました。

クリストファー・ロイドは、ブロードウェイ俳優として活躍し、その後、「カッコーの巣の上で」で映画デビューをしています。本作のヒットで一躍有名となり、多数の作品に出演しています。なお、本作を演じたときは、46歳でした。

物語は、タイムマシンを発明した科学者の実験で、タイスリップしてしまった主人公が、自分の両親の若い頃の時代で、母親と出会い、主人公に恋してしまうことで自分の存在が消えてしまうというタイムパラドックスを回避するために、両親の恋愛を助けるストーリーです。

序盤は、1985年の高校生生活が描かれ、特にオープニングの時計だらけの部屋にはところどころ裏メッセージの込められたオブジェがあります。

主人公マーティは、アメリカ映画に珍しく、ハイスクールのティーンネイジャーとなっており、カレッジスチューデントを主役とするアメリカ映画が多い中、日本では主流の高校生役となっています。

バンドを結成し、多少の悪いことにも手を出し、彼女もいる、いわゆる「リア充」的な主人公ですが、群れることをせず、一本筋の通った好青年なイメージがあります。

物語の進行は意外とゆっくりしていますが、タイムマシン デロリアンが登場し、1955年にタイムスリップをしてしまうまでかなりの布石がひかれています。

1985年での出来事を注意深く観察しておくことがこの作品の楽しみ方であり、何度観ても楽しめる要素でもあります。

デロリアンの実験を行った駐車場の名前や、市長が誰になったのかという点、時計台の歴史など、この布石の引き方は非常に巧妙で自然な説明にもなっています。

この映画の面白いところは、タイムトラベルについて回るパラドックスをわかりやすく説明しているところ。

そして主役のマーティがダメ男ではなく、常に前向きな好少年であること。

アメリカの学生が主人公の作品の多くは、日本の学生よりも大人びた印象があり、大学生が主となるところも多い中、ハイスクールの少年が主人公という点では、日本に馴染みやすい要素があったと思います。

プロムパーティというアメリカならではの文化もありますが、コレらも日本の文化祭からイメージしやすく、学校の中での物語の作り方は本当に上手いところです。

要所要所にアクションシーンもありますが、ピンチと逆転のメリハリが心地よく観ていてスカッとします。

終盤のプロムパーティでのライブも、実はチャック・ベリーがこの曲を聴いて作り上げたというパラドックスがコメディのように描かれています。では、ジョニー・B.グッドを作った人は誰?となりそうですが、コレも面白いところです。

時計台の落雷を利用して1985年にデロリアンで帰ることになりますが、この一連のシーンは映画史の中でもとても緩急とメリハリの効いた素晴らしい演出だと思います。

マーティの身体能力も抜群で、デロリアンのボンネットを滑ってから乗車するシーンは個人的にとても大好きなところです。

スタート地点に華麗に180度ターンするところやエンジンがかからないシークエンスは、CGや特撮がなせる技ではなく、発想と演出だけで面白いモノが作れる証明であるとも言えます。

1985年に戻ってからのちょっとしたストーリーの機転も爽快で、その後の未来を描いた続編を絶対に観たいと思わせる作りになっています。

もともとは、続編を作る予定はなかったのですが、ビデオ化の時に「TO BE CONTINUED…(つづく)」というテロップを入れたことでファンの期待が高まり続編が作られた経緯があります。

後に2作の続編が作られますが、CGと手作りのちょうど良いフュージョンと、近未来を明るく描いたタイムトラベルの映画として、とんでもなく名作であると思います。

観ないと損をするというのはこういう映画なのかもしれません。

予告編

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