【洋画】「哀れなるものたち(2024)」★★★★☆【感想・レビュー】

作品紹介

【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 ベラは、自ら命を断ってしまうが、天才外科医 ゴッドウィン・バクスターにより脳移植をして奇跡的な蘇生をする。

哀れなるものたち

哀れなるものたち

Ramy Youssef, Christopher Abbott, Vicki Pepperdine, Margaret Qualley, Jack Barton, Charlie Hiscock, Emma Hindle, Anders Grundberg, Carminho, Angela Stander, Emma Stone, Mark Ruffalo, Willem Dafoe, Suzy Bemba, Jerrod Carmichael, Kathryn Hunter, Hanna Schygulla, Attila Dobai, Attila Kecskeméthy, Jucimar Barbosa, Gustavo Gomes, Zen Poisson, Jerskin Fendrix, Bruna Asdorian, Mascuud Dahir, János Geréb, Patrick Valette, Raphael Thiery, Boris Gillot, Dorina Kovács, Yorgos Stefanakos, Gábor Patay, Laurent Winkler, Kate Handford, Owen Good, Vivienne Soan, István Göz, Tamás Szabó-Sipos, Tom Stourton, Miles Jovian, Jeremy Wheeler, Hubert Benhamdine, Laurent Borel, Donovan Fouassier, Wayne Brett, Keeley Forsyth, David Bromley, Andrew Hefler, Damien Bonnard, Noah Breton, John Locke
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まずは、他のヨルゴス・ランティモス監督作品を観たうえで、本作を観るのが良いのかと

ヨルゴス・ランティモス監督は、2001年「Ο καλύτερός μου φίλος My Best Friend」で初監督をし、2009年「籠の中の乙女」で、第62回カンヌ国際映画祭にて「ある視点」部門のグランプリを受賞しています。その後、2015年『ロブスター』で、第68回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞しています。2015年『女王陛下のお気に入り』で数多くの賞を受賞しています。独特な表現方法で優れた演出力のある監督です。

エマ・ストーンは、11歳の頃から地元アリゾナで劇団グループに所属しており、2005年にテレビ、2007年に映画に出演をしています。2011年「ラブ・アゲイン」や「ヘルプ 心がつなぐストーリー」で評価され、2014年の「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされ、様々な賞で評価されている実力派の女優です。

アラスター・グレイの『哀れなるものたち』が原作となっています。

物語は、主人公が自殺をしてしまうが、天才外科医により胎児の脳を移植したことで蘇生する。大人の体ながら、新生児の脳である主人公がその目線で世界を見ていくというストーリーです。

序盤からモノクロの画面で、ベラが不思議な世界にいる状況で父親らしき人と生活をしていることが描かれます。

ベラの父親の顔は独特な顔であり、ウィレム・デフォーが演じていますが、異常な感じでひび割れが入っています。

ベラの父親は医者の設定で、ベラ自身は知能に問題があるキャラクターとして描かれますが、その原因もしっかりと描かれます。

モノクロ画面なのが幸いをしていますが、意外と残酷なシーンが出てきます。

ベラ自身は川に投身自殺をしたものの、蘇生されその時に妊娠していた胎児の脳を移植された女性ということがわかります。脳の移植のシーンはカラーになところはちょっと悪趣味ですが、ヨルゴス・ランティモスのえんしゅつなので、深い意図があります。

序盤で、本作の奇妙さがとても良くわかるのですが、その奇妙な設定だけではとどまらず、胎児の脳を持ちながらも体は大人というところで見えてくる世界が本作の興味深いところです。

「ベラの心は憎しみで腐ってしまう」

エマ・ストーンの演技がすごいとしか言いようがなく、外見は大人ですが、言動は幼児の発想であり、この世には存在しないキャラクターを非常に自然に演じています。

本作を多くの人にはあまり勧めにくい作品として、主人公 ベラの言動にかなりな過激なところがあり、本作のレイティングもR18+と厳しいことになっているところもあります。

よくよく見ると、ちょっとしたところに不可解な生き物がいたりと、ベラの言動だけでなく、バクスターの手掛けた実験的なことが見られます。

奇想天外な発想で物語が作られていますが、本質的なところは、フェミニズムに行き着くようなところもあり、シュールな設定を通じて、メッセージ性をぼかしているようなそんな気もします。

「お金、それ自体が病なのよ」

主人公視点で物語は描かれますが、そもそも主人公 ベラ自体が特殊な環境のキャラクターでもあり、この世界観にはまり込んでいくのは、ヨルゴス・ランティモス監督作品初心者には厳しいところはあります。

ヨルゴス・ランティモス監督作品は難解な作品が多いのですが、説明の仕方や言い回し、演出を理解していれば、意外と理解はできるところでもあり、映画の文法の読解力があれば、どういう話なのかはわかると思います。

エマ・ストーン自体の貪欲な映画製作の情熱はすごいとは思いますが、本作で第96回アカデミー賞 主演女優賞を受賞したのも頷けます。

ベラが見てきた世界と最終的にどのような世界にたどり着くのかが本作のポイントでもあり、前半と後半では、問いかける見せ方が徐々に明確になってくるところも非常にうまいです。

とはいえ、やはり万人向けの作品ではないので、まずは、他のヨルゴス・ランティモス監督作品を観たうえで、本作を観るのが良いのかと思います。

予告編

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