【監督】内田英治
【出演】阿部寛/清野菜名/磯村勇斗/高杉真宙/板橋駿谷/モトーラ世理奈/見上愛/岡部たかし/渋川清彦/酒向芳/六平直政/光石研/倍賞美津子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 成瀬司は、犯人逮捕であれば手段を選ばない捜査一課の刑事。無理な捜査を行ってきたことで、広報課の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。
題名やイメージからコメディ的な感じも受けますが、意外と真面目なストーリー展開であり
内田英治監督は、テレビのディレクターや雑誌ライターを経て、1999年に脚本家デビューをし、その後、2004年『ガチャポン!』で映画監督デビューをしています。2019年「全裸監督」など独特な作風の監督です。
阿部寛は、「集英社第3回ノンノボーイフレンド大賞」で優勝し、以降モデルとして活躍しています。1987年『はいからさんが通る』で映画デビューをし、人気となりますが、徐々に低迷し、2000年『TRICK』の人気により新境地を見出し、その後、コメディからシリアス物まで柔軟に役をこなす俳優となっています。
清野菜名は、ファッション雑誌『ピチレモン』の第15回ピチモオーディションでグランプリ・ペンティーズ賞を受賞し、モデルとして活動を始めます。その後、2012年「映画 桜蘭高校ホスト部」で映画デビューをし、2015年『東京無国籍少女』で初主演をしています。アクションを得意としていながらも、演技派として活動を始め、女優としての幅を広げています。2020年に生田斗真と結婚をしています。
物語は、捜査一課の刑事である主人公が、無理な捜査をしてきたことで、広報課に異動を言い渡され、そこで、音楽隊として演奏することになる。
序盤から、ゴリゴリの捜査一課のベテラン刑事として、無理な捜査を続けてきている成瀬司が描かれます。
こんな感じの手段を選ばないような捜査をしているので、捜査一課から煙たがられてしまい、組織から外されてしまいます。
主人公に共感ができるかといえば、そういう主人公ではなく、調和を取ろうとしない主人公なので、感情移入というよりも、多く登場するキャラクターの群像劇をみるという感じです。とはいえ、主人公視点で物語は描かれていくので、わかりにくいことはないです。
本作は、原作自体は内田英治監督のオリジナル脚本であり、きっかけは、愛知県警がYouTubeに投稿した警察音楽隊のフラッシュモブ映像ということです。
中盤くらいから徐々に自分の置かれた状況を理解し始めて、音楽隊としてのメンバーとして演奏をし始めます。
音楽隊として配属されることで、自分のやりたいことと現実との乖離にジレンマを感じますが、そもそも、主人公 成瀬が自分中心の考え方をしている以上、この点を見直さないとどうにもならないことに徐々に気がついていきます。
予定調和的に成瀬のキャラクターが徐々に変わってくるところが本作の良いところであり、演奏技術も徐々に良くなっていきます。他のメンバーも上達していくところがあり、成長していくというのがポイントとなっていきます。
題名やイメージからコメディ的な感じも受けますが、意外と真面目なストーリー展開であり、成瀬がちょっと大人な考え方を得ていく、そんなところです。
119分の内容となりますが、難解さもないのでサクッと観られる内容です。