【監督】岸善幸
【出演】稲垣吾郎/新垣結衣/磯村勇斗/佐藤寛太/東野絢香/山田真歩/宇野祥平/渡辺大知/徳永えり/岩瀬亮 /
【あらすじ】主人公 寺井啓喜は、横浜に住む検事。家庭では不登校の息子のために家庭内不和がある。広島に住む桐生夏月は、ショッピングモールで契約社員として働く女性。大学のダンスサークルに所属する諸橋大也。学園祭でフェスを企画している神戸八重子。それぞれ人がとある事件で交錯していく。
原作自体が、傑作・問題作と感想が分かれるところ
岸善幸監督は、テレビ制作会社 テレビマンユニオンで是枝裕和監督と同期の演出家で、主に映画監督というよりも、構成や演出、プロデュースを行っています。
稲垣吾郎は、元smapのメンバーであり、現在は「新しい地図」として活躍しています。映画やドラマに数多く出演しており、役者としての評価はされています。
新垣結衣は、雑誌「ニコラ」のモデルのオーディションでグランプリを獲得し、モデルとして活躍後、2006年「ポッキー」シリーズのCMで人気となり、2005年『Sh15uya』では、ドラマ初出演をしています。2007年『ワルボロ』で映画初出演をし、『恋するマドリ』では初主演も務め、同時に主題歌を歌い歌手デビューもしています。その後、徐々に人気を集め、2011年『全開ガール』では連続ドラマ初主演をしています。映画出演もしていますが、どちらかといえば、テレビドラマの代表作が多く、『ドラゴン桜』『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』『パパとムスメの7日間』『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ『リーガル・ハイ』『空飛ぶ広報室』『逃げるは恥だが役に立つ』と多くの作品があります。2021年に星野源と結婚をしています。
物語は、検事と契約社員と学生の3者を中心としながらも、別々の場所での物語として、ある事件をきっかけに関係性がうまれ、正欲について語られていくストーリーです。
「生きるために必死だった道のりを、あり得ないって簡単に片付けられたこと、ありますか?」
予告編では、この言葉が最後に語られていますが、本作では、多様性を元にした当事者と傍観者の視点で、それぞれが正しくもあり、そうでない場合もあるということを描いているところがあります。
5人の登場人物を中心としてそれぞれが色々な問題に直面しつつ、正しい欲ということを根底に描いており、原作では、3人の登場人物の関連で成り立っていましたが、本作は、多少エッセンスが加えられているように思われます。
新垣結衣自体は、映画出演作も数作ありますが、どちらかといえば、テレビドラマ女優な印象もあり、映画での代表作はドラマ性というよりも、軽い感じの映画が多いような気もします。本作では、シリアスな物語でもあり、メッセージ性のある新境地なところを感じます。
朝井リョウ原作の作品は、多くの登場人物を丁寧に書き分けつつ、「他人から見える自分」というテーマを感じるところがあります。
原作自体が、傑作・問題作と感想が分かれるところがあり、観る人によって感想が変わるところは十分にあります。