【日本映画】「ひとくず〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【日本映画】
【日本映画】★★★★☆
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【監督】
【出演】
【個人的評価】

【あらすじ】主人公 金田は、日々泥棒をして生活をしている男。ある日忍び込んだ家に、虐待と育児放棄された少女 鞠と出会う。かつての自分の境遇を重ねてしまい、男はその少女を助けようとする。

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全体的に古臭いように見えますが、現代で起こっている問題を盛り込んでおり、演出とストーリー展開としては、この手法が良かったのかもしれません

・上西雄大監督は、2012年劇団テンアンツを発足し、劇団活動を始めます。2016年『10匹の蟻』で短編集オムニバス映画を制作し、以後、映画製作に取り組み、2017年『ひとくず』を制作し、劇場公開をします。2020年には全国ロードショーを開始し、以降も、映画監督や俳優として活躍しています。

・小南希良梨は、2009年生まれの子役で、映画やPVなどで活躍しています。2020年「ひとくず」では、熱海国際映画祭2019にて最優秀俳優賞を受賞しています。

・印象的な主題歌は、吉村ビソー「HITOKUZU」です。

・物語は、泥棒稼業の主人公が、とある家に忍び込んだときに出会った少女に、自分の過去を重ね合わせてしまい、不器用ながらも、少女を助けようとするストーリーです。

・序盤より、荒れた部屋の中で目覚める鞠の姿から始まります。家のドアには外から鍵がかけられており、その部屋の中でなんとか生きながらえている鞠が描かれます。

・また、金田自身の日々の生活もザッピングで描かれます。

・その部屋に偶然金田が泥棒に入り、鞠と出会います。

・急に金田の過去の記憶が呼び起こされ、そこで、過去のネグレクトの記憶が描かれます。

・かなり重たい感じでの序盤となります。

・出てくる登場人物の多くがほぼクズしかいないので、観ていて気持ちの良いものではありません・・・。

・時間の時系列が要所要所飛ぶので、ちょっとわかりにくいところはあります。

・焼肉屋でのシーンで、隣の家族を妙に意識したシーンでも非常にギスギスした展開となっていますが、このときの金田の言動は自分勝手すぎるところはありますが、このときの心情は音楽で表現されています。

・このシーンの行動と心の機微は絶妙な演出です。

・「何、泣いてんだよ」

・不器用なところや今までの自分の言動を見返したところは説明されませんが、そこは説明がないところが本作の良いところです。

・「かねまさ、焼き肉ありがとう」

・本作は、いちいち映像のコントラストが強いところがあり、リアリティというよりも、撮影機材の問題かと思います。

・序盤でギスギスしていた展開も、鞠の存在からか、徐々に変化が出てきます。

・結局は、過去のトラウマから不器用な言動しかできなくなり生きづらさが出てくるのですが、だんだんこの言葉遣いや行動がコントに見えてきます。

・というか、壮大なツンデレにも思えます。

・それでも、過去シーンのフラッシュバックを織り込むことで、その辛さや悲しさを残し、コントにならないようにシリアスな現実を呼び起こしています。

・「鞠、アイロンがけの跡見せてくれるか」

・「絶対に直させてやる」

・かねまさの過去のネグレクト体験から、鞠を救いたい気持ちが生まれますが、その細かい動機はさほど描かれません。

・「アイス食って忘れろ」

・言動的には安いアイスかなぁと思うところが、意外とハーゲンダッツなので、買い置きがあるのかにモヤモヤします。

・このアイスの伏線は、終盤できっちりと生かされてきます。

・だんだん、昭和人情物語的な演出となってきますが、三周くらい回って良い感じです。

・全体的に古臭いように見えますが、現代で起こっている問題を盛り込んでおり、演出とストーリー展開としては、この手法が良かったのかもしれません。

・結末もほぼ予測できるようなながれとなりますが、それも含めて本作の良いところです。

・このエンドロールへの流れも、ストレートに良いです。ここは観てほしいところかもしれません。

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