【監督】ローランド・エメリッヒ
【出演】ハル・ベリー/パトリック・ウィルソン/ジョン・ブラッドリー/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】NASA副長官 ジョー・ファウラー、元宇宙飛行士 ブライアン・ハーパー、天文学博士のKC・ハウスマンの3人は、突如軌道を変え始めた月に対し、地球の危機を救うため月への軌道修正の計画を立てる。
ローランド・エメリッヒ監督の描く「アルマゲドン」
ローランド・エメリッヒ監督は、プロダクションデザインを学ぶも、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に影響を受け、映画監督コースに転籍しています。1981年『スペースノア』を卒業制作で監督をし、第34回ベルリン国際映画祭のオープニング作品で上映されています。1992年『ユニバーサル・ソルジャー』でハリウッドデビューをし、その後、『スターゲイト』『インデペンデンス・デイ』で興行的に大ヒットを達成しています。1998年『GODZILLA』でもヒットしていますが、ファンからは酷評を受けています。超大作的な作品を手掛けることが多く、人気もありますが、反面、酷評もされる愛すべき監督です。
ハル・ベリーは、ミスコンテストで好成績を残し、1991年『ジャングル・フィーバー』で映画デビューをしています。1992年『ブーメラン』で注目され、2001年『チョコレート』では、アカデミー主演女優賞を受賞しています。2002年「007 ダイ・アナザー・デイ」でボンドガールも演じたことのある女優です。
物語は、月の起動が変わり始めたことで、地球に災害が起こり始め、その問題の解決のために、月へ起動修正のための計画を立て、実行をしていくストーリーです。
序盤から、ロケットの打ち上げが描かれ、月面に着陸するシーンまでが描かれます。
宇宙飛行士が船外活動中に、正体不明のでデブリで事故に遭うシーンが描かれます。
「ゼロ・グラビティ」のようなシーンで事故の状況が描かれますが、無重力状態でのトラブルはかなり恐怖感を覚えます。
そこから10年後となります。
月の軌道が変わり、地球に落下してくる展開となります。
特に感情移入するキャラクターがうんぬんというよりも、世界的規模で大災害に向かっていく状態をなんとか阻止しようという流れでもあり、問題に対して生き延びる手段を考えていく展開となります。
月自体が巨大な建造物というトンデモ設定がでてきますが、あながちそういうオカルトもあるわけで、それを真面目にストーリーとした作品とも言えます。
ディサスタームービーの典型でもありますが、完全に地球が破滅していく展開の中、トンデモ設定を推し進めて行くトンデモストーリーとなっていきます。
「月は巨大建造物だ、これまでの常識は通用しない」
このあたりの理論まで出てくると現実感が乏しい感じもしますが、そもそも、月軌道が大きく変わった状態となった時点で、引力の均衡が崩れ始め、大きな災害となるのはわかります。
重力波により、海の水が荒れ狂う中、シャトルの発射はとてもすごいです、でもトンデモ設定すぎる点では、自動車のスピードで、巨大な波から逃げられるとは思えません。
シャトルの発射が中盤で行われますが、様々な危機が襲いかかってくる中で、月の引力を利用して大気圏を離脱するというところも、とても無茶ではありますが、そもそも、これはこういう映画です。
終盤は、月の謎について解明されていく展開となりますが、本作は、創作ストーリーの映画ですので、ある程度間引いた視点で鑑賞するのが良いかと思います。
ローランド・エメリッヒ監督の描く「アルマゲドン」という視点でも良いのかと思いますが、実際どっちもどっち的な印象があり、むしろ「アルマゲドン」がなぜあれだけヒットしたのかを再度考察したい気になる作品です。
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