【監督】李闘士男
【原作】つぶやきシロー
【出演】安田顕/小池栄子/岡田結実/ファーストサマーウイカ/SWAY/金子大地/小山春朋/伊集院光/白川和子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公 伊澤春男は、地域密着型スーパー ウメヤで働く45歳の男性。娘2人と息子1人の5人家族で生活をしており、勤続25年のスーパーで万年主任として働いていたが、人望もあり、次期店長の噂がでる。
安田顕のなんとも言えない個性がツボに感じる作品
・李闘士男監督は、テレビのディレクターとして仕事を始め、多くの番組を手掛けます。2004年「お父さんのバックドロップ」で映画監督デビューをしています。テレビバラエティを手掛けていたこともあり、観やすい作品が多いのが特長の監督です。
・安田顕は、演劇研究会で演劇の楽しさを学び、1996年「TEAM-NACS」に参加します。1996年「ガメラ2 レギオン襲来」で映画初出演をし、2001年「man-hole」で映画初主演をしています。映画やテレビ、舞台と様々なジャンルの出演をし、演じる役も普通の人からヤクザや刑事、宇宙人まで演じており、主演から脇役まで、器用に存在感を放つ俳優です。
・小池栄子は、15歳のときに「バスト93センチGカップ女子高生」で紹介され、その後、グラビア・モデルとして活動をしますが、当初は、水着にはコンプレックスがあったらしいです。1999年「小池栄子inドリフト・ウォーズ」で映画初出演をし、以降コンスタントに映画出演をしています。テレビや映画、バラエティや舞台と多彩な活動をしている女優です。なお、夫は、プロレスラーの坂田亘です。
・安田顕と小池栄子は、2001年「man-hole」で共演をしており、意外な共通点ではあります。
・物語は、25年間スーパーで働く平凡な男性が、家族との生活と、仕事の間で、奮闘していくストーリーです。
・序盤より、子供の野球の試合で振る舞うための流しそうめんを作り上げてしまうところに、本作の主人公 春男のこだわりと、主人公視点で本作が描かれることを端的に示しています。
・主人公 春男の独白の演出が多くを占めており、この演出があるからこそ、本作に没入できるようになっています。
・そして、勤務先のスーパーのトラブルを見事に解決してしまうあたり、この主人公の自己満足のようであり、陶酔のようなそんなキャラクター性が強く印象つけられます。
・「あれこれ考えててもしかたないよ。やろっ」
・結果的に休日に呼び出されてトラブルを解決するところに、当然悩みも出るわけです。
・そんな、小市民的な中年男性を描いた作品ですが、この主人公を演じる安田顕自体の演技が見事でもあり、顔をひきつらせる演技も、なかなかできるものではないとは思います。
・「人生、何があるかわからない」
・そんなことで、とある事件より、スーパーの店長を期待されるところが描かれますが、そこでも肩透かし感が出てきます。
・このあたりはコメディでもあり、本作の面白さがここに詰め込まれています。
・店長とのかかわり合いや娘の彼氏問題等が起こり、ココもコメディであります。
・娘の彼氏の挨拶でも、心の言葉とその言動に小市民的な父親のコメディ感があります。
・川べりで叫ぶところでは、なかなかリアリティがないのですが、これがコメディでもあります。
・結局、馴染んだスーパーを去ってしまうところにはなりますが、この演出自体も、やはりコメディであります。
・色々とコメディな要素で展開していく独白系の展開ではありますが、安田顕のキャラクター性と周辺のわかりやすい登場人物のおかげで、サクッと観られながらも、安田顕のなんとも言えない個性がツボに感じる作品です。