【日本映画】「裏ゾッキ〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】篠原利恵
【出演】/吉岡里帆/鈴木福/満島真之介//安藤政信/
【個人的評価】

【あらすじ】2021年制作の映画「ゾッキ」を制作するにあたって、その制作状況をドキュメンタリーとして制作した作品

先に「ゾッキ」を観た上で、本作を観ると、実は「ゾッキ」自体がとんでもなく奇跡的な名作

篠原利恵監督は、2013年、テレビマンユニオンに参加し、TV番組のドキュメンタリー等と手掛けています。2021年「裏ゾッキ」でドキュメンタリー映画監督としてデビューしています。

竹中直人は、学生時代から8ミリ映画の制作を行っており、その後、コメディアンとして活動を開始し「笑いながら怒る人」は代表ネタとなっています。1991年『無能の人』で映画監督デビューをしており、主演としても出演しています。その後、「普通の人々」「119」「東京日和」等を監督しています。

山田孝之は、1999年『サイコメトラーEIJI2』で俳優デビューをし、2003年『WATER BOYS』でテレビドラマ初主演をしています。2005年『電車男』で映画初主演をし、その後ヒトクセある性格俳優として、様々な作品に関わっています。

齊藤工は、高校時代よりモデルとして活動をし、2001年「時の香り~リメンバー・ミー」で俳優デビューをしています。2012年には「サクライロ」で監督デビューをしており、2017年「blank13」では、第20回上海国際映画祭でアジア新人賞部門最優秀監督賞を受賞しています。

本作は、2021年「ゾッキ」の映画製作のドキュメンタリーとして制作された映画です。

序盤から、愛知県蒲郡での地域活性化のために本作を制作する流れが描かれていきます。

地域住民と、映画製作者側の温度差に監督やスタッフが圧倒されるような印象を描きながらも、それでも本作を作り上げようとする気構えに、なにか心動かされるところが、じわじわと伝わってきます。

当然ですが、本作を観る前に、「ゾッキ」を観たほうが絶対に作品の意図がしっかりと伝わり、映画製作に取り組むということで多くの人が関わっていることを改めて感じさせられます。

映画製作には大量の資金が必要になりますが、その資金や協力者、そして、地域の支援など、個人レベルではない大きな事業のようにも思えます。

映画といえば、毎週新作が劇場で公開されていきますが、その中の1本について、時間と労力と資金が費やされるわけで、名作であれ、駄作であれ、人の関わりあいが元で作品が作られていることを再認識できます。

特に本作では、まるで催眠術にかかったかのように「ゾッキ」という作品に地域の願いや思い入れが深く刻まれているようにも思え、地域の政治家から住民まで、多くの期待のかかった作品ということがわかります。

「原作読んでるのかなぁ」

映画製作側と地域住民の温度差とはこういうことで、ロケ弁当を用意してくれたり、ちょっとしたグッズを作ったりと、ただならぬ期待で押しつぶされそうになる雰囲気も感じます。

それを踏まえての「ゾッキ」自体の評価は、難しくなってしまうのですが、だからこそ、先に「ゾッキ」を観た上で、本作を観ると、実は「ゾッキ」自体がとんでもなく奇跡的な名作とも思える気がします。

まずは、「ゾッキ」を鑑賞した上で、本作を観てもらい、映画製作の難しさとさまざまな人の思いが込められているということを実感できれば、映画に対しての見方が変わるのかと思います。

断じていいますが、「ゾッキ」を鑑賞した上で、本作を鑑賞することをおすすめします。

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