【監督】廣田裕介
【原作】西野亮廣
【声優】窪田正孝/芦田愛菜/立川志の輔/小池栄子/藤森慎吾/野間口徹/伊藤沙莉/宮根誠司/大平祥生/飯尾和樹/山内圭哉/國村隼/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】煙に覆われたえんとつ町に住む少年ルビッチが主人公。ある日、ゴミ人間 プペルと出会い、星を見つけに行くたびに出る。
絵本をみると印象が変わるのかもしれません
・廣田裕介監督は、2001年「ピロッポ」でCGI監督としてデビューしており、『アニマトリックス – BEYOND』『Genius Party – BABY BLUE』『Genius Party Beyond – MOONDRIVE』『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』などに参加しています。2020年『映画 えんとつ町のプぺル』で映画初監督を努めています。
・窪田正孝は、オーディションに合格し、芸能界入りをし、2006年『チェケラッチョ!! in TOKYO』でテレビ初主演でデビューしています。その後、2008年『ケータイ捜査官7』で主役となり、様々な監督と仕事をし、徐々に評価を上げ、テレビや映画と活躍している俳優です。
・芦田愛菜は、母親に進められ、3歳より芸能界デビューをしています。2011年「マルモのおきて」で人気となり、以降様々なメディアに登場しながらも、難関校でもある慶應義塾中等部に入学しています。
・物語は、えんとつだらけの町で、その煙の向こうにある星空を探しに、ゴミ人間のプペルとルビッチが旅に出ていくストーリーです。
・序盤は、ルビッチの境遇を説明するシーンから始まり、このえんとつの町の成り立ちを説明し、この町でプペルが生まれるところを描きます。
・ポスターや宣伝等では、プペルは、この少年のように思われますが、全然違います。プペルは、ゴミでできたゴミ人間です。
・ルビッチとプペルの出会いは、序盤ですぐに描かれますが、アニメーションでこの複雑なプペルを表現しているのは、CGを使っているとはいえ、大変なところかと思います。
・大変なところではあるのですが、ストーリー自体がまったく刺さってこない点もあり、このあたりは、絵本の内容を深く彫り下げて制作したところでもあり、作品の完成度は、媒体によって変わってきてしまうと感じるところがあります。
・アニメーションの見え方は、スタジオ4°Cが関わっているところもあり、CGを取り入れた完成度の高いアニメーションではあります。
・やはり、問題なのは、ストーリーが妙に稚拙なところがあり、絵本原作というところがそう感じてしまうところかと思います。
・鑑賞対象を考えるのであれば、アニメーションの完成度とストーリーの感じ方の格差をもう少しどちらかに寄せておいたほうが良かったかもしれません。
・どちらかといえば、アニメーションに興味のあるコアな人が鑑賞していると思いますが、それであれば、その他の世界観を深く掘り下げてくほうが良かったかもしれません。
・「すみっコぐらし」「クレヨンしんちゃん」などは、アニメーション技術的にはわかりにくい形ですごいことをしていますが、パッと見は、児童向けをしっかりと守っているため、作者の訴求意図の志の抑え方が絶妙だったとも思えます。
・映画を観てから、絵本をみると印象が変わるのかもしれませんが、筆者は、映画からが入り口となったので、機会があれば絵本を見てみたいところです。