【日本映画】「100日間生きたワニ〔2021〕」を観ての感想・レビュー

【監督】上田慎一郎/
【原作】
【出演】/中村倫也//新木優子//Kaito/
【個人的評価】

【あらすじ】桜は満開の3月の花見にワニの姿はなかった。その100日前と100日後を描いた物語。

100日間生きたワニ

100日間生きたワニ

神木隆之介, 中村倫也, 木村昴, 新木優子, ファーストサマーウイカ, 清水くるみ, 山田裕貴
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ただ、Web漫画をアニメにした要素と、さらにその先の要素を提示したという点で、観客の予想をいい意味で裏切るような構成となっています

・上田慎一郎監督は、中学時代からハンディカムで自主映画を撮り始め、2009年自主映画団体「STUDIOMAYS」に参加し、映画を作成し始めます。数々の作品を手掛けた後、2017年『カメラを止めるな!』で劇場用長編映画デビューをし、低予算映画ながら莫大な興行収入の記録となります。

・ふくだみゆき監督は、2010年「Short Film Festa Nippon 2010」で上田慎一郎監督と出会い、映画製作団体「PANPOKOPINA」に参加しています。その後、2013年マシュマロ×ぺいん』を制作しています。2014年に上田慎一郎監督と結婚しています。2021年『繕い合う・こと』では女優デビューもしています。

・神木隆之介は、3歳の頃から、CMに出演し、その後子役としても声優として様々な役をこなし、安定感のある役者です。

・中村倫也は、高校のときにスカウトされ、2005年『七人の弔』で映画デビューをしています。その後、2014年『ヒストリーボーイズ』で舞台にも挑戦し、評価を得ています。2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でさらに知名度が上がり幅広い活動をしています。

・原作は、きくちゆうきのWeb漫画で毎日投稿され、100日後に死んでしまうということで、話題となったweb漫画の映画化です。

・2019年12月12日から2020年3月20日まで、Twitterに毎日投稿された4コママンガは、回を重ねるごとに人気となり、最終回では、30万を超える「いいね」を獲得しています。

・Twitter投稿時の題名は、「100日後に死ぬワニ」でしたが、映画化になる際に急遽「100日間生きたワニ」と改題されています。

・物語は、ワニのキャラクターが日々を過ごす中で、様々な出来事があり、100日後に死んでしまったというストーリーと、その後の100日を描いた作品です。

・すべてのキャラクターが動物と置き換わっている以上、動物を利用した乗り物や場所を使用するのはモヤモヤします。

・馬車の馬や水族館を選んでしまう点は、製作者の逆の意味で意図を感じてしまいます。

・「マジか~」「すげ~」等、若者言葉を非常に多用していますが、安易な演出手法にも思えます。

・中盤で、ちょっと妙な錯覚を覚えます。というか、ここからが、本作のキモになるとも思えます。

・このカエルキャラクターは、漫画版では登場してないのですが、他のキャラクターと異なる落とし所でもあり、もともとあった作品の世界観を見事にぶち壊してくれています。

・むしろ、いい意味でぶち壊しているとは思います。

・NHK「ざんねんないきもの事典」の会話版の作品の喋り方のみで構成されている作品とも言えますが、このテキトーな会話手法が一周回って製作者を馬鹿にしている客をさらに馬鹿にした感じを醸し出していながら、それを達観している感じもします。

・Web漫画のときに描いていたことは、「いつ何が起こるかわからないことを伝えたい」ということを描いていますが、映画化する際に、色々とトラブルとステマ問題があり、周囲の評価はあまり前評判がなかったのかと思います。

・本作は、ただ、Web漫画をアニメにした要素と、さらにその先の要素を提示したという点で、観客の予想をいい意味で裏切るような構成となっています

・「うざい」と思うのか「ステマ」と思うのかは観る人次第ですが、本作で伝えたいことは、さらに形を変えて、強いメッセージ性が生まれているのではないかと思います。

・むしろ、印象の悪いまま本作を観たほうが、色々と工夫を凝らしたという点を好意的に受け取れるのではないか?と思います。

・思っている以上にひどい作品とは思えないところが、錯覚なのかもしれませんが、莫大な予算と各作品訴求の施策が不発だっただけに、不遇な作品なのかと思います。

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