作品紹介
【監督】沖田修一
【出演】上白石萌歌/細田佳央太/千葉雄大/古舘寛治/斉藤由貴/豊川悦司/高橋源一郎/湯川ひな/坂口辰平/兵藤公美/品川徹/きたろう/
【個人的評価】★★★★☆
【あらすじ】主人公 美波は、水泳部の高校二年生。ある日、書道部のもじ(門司)くんと出会い、幼い頃に別れた父親の場所を探しあてる。美波の実の父親と夏休みの間に過ごすことになる。
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鑑賞後のなんとも言えない晴れやかな感じはスッキリとしてしまう良作
沖田修一監督は、日本大学藝術学部映画学科撮影・録音コースで映画を学び、2002年『鍋と友達』で短編映画が評価されます。その後、2006年『このすばらしきせかい』で長編映画を手掛け、2009年『南極料理人』で商業映画監督としてデビューをしています。「キツツキと雨」「横道世之介」などをはじめすべての作品で「監督・脚本」を手掛ける監督です。
上白石萌歌は、第7回『「東宝シンデレラ」オーディション』でグランプリに選ばれ、芸能界デビューをしています。姉の萌音とともに東宝芸能のシンデレラルーム所属として活躍し、2011年「空色物語 「虹とシマウマ」」で映画デビューをし主演も務めています。映画やテレビ、舞台での活躍もし、「未来のミライ」「劇場版ポケットモンスター ココ」では声優も務めています。
原作は、田島列島によるモーニングKCの漫画です。
物語は、女子高生の主人公が、ある日、実の父親の存在をしり、父親探しをはじめ、色々なことを経験していくとある夏休みのストーリーです。
序盤からいきなりアニメで始まります。なお、このアニメは、劇中アニメ『魔法左官少女バッファローKOTEKO』となっており、颱風グラフィックスの制作の作品です。
水泳部として、上白石萌歌がスクール水着で登場しますが、それなりに水泳部っぽい感じのガタイです。
「初期のタッチで描いたんだぁ」
門司くんと出会い、意気投合するわけですが、上白石萌歌の魅力がとてもわかりやすいです。このわかりやすさが本作の魅力でもあります。
「その子の書く字に門司くんは残るよ」
美波には実の父親がいるということで、その父親を探し、会いに行きます。
そこで出会う父親は、豊川悦司が演じる父親であり、ちょっとヒトクセあります。
このヒトクセある父親というところが中盤の面白いところで、父と娘の関係を描いていきます。
今まで一緒に暮らしていなかっただけに生活スタイルなども違うので、コメディっぽい感じでその関係を描いていきます。
「美波におとうさんと言われていないのに、君が何度もおとうさんと言わないでくれるか?」
ひと夏の出来事を描いた作品ではあり、題名も1959年フランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」を意識させる内容であり、なんとなく、そのアンサー映画的なところも感じてしまいます。
沖田監督の物語の描き方は、人物の魅力を引き出し、その魅力で映画の中に引きずり込んでしまうところが多く、本作も、上白石萌歌の魅力でしっかりと心に残っていきます。
全体的に意外な展開や衝撃のラストと言うようなこととは皆無ながら、鑑賞後のなんとも言えない晴れやかな感じはスッキリとしてしまう良作かと思います。
思えば、「横道世之介」もちょっと方向性は違うけど、そんな感じのなんともいえない感が残る作品ではありますね。
予告編
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